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会社は継げても、成功までは継げない

2026.04.22更新

親子そろって優秀である確率は3%。

もちろん、これは私の言葉ではありません。以前、ある著名なM&A会社の会長が、パーティの席でそう話していました。立場を踏まえれば、多少のポジショントークはあるのでしょう。「だから早めに会社を売った方がいい」という結論に持っていきたいわけですから。

とはいえ、税理士として多くの企業を見てきた実感からしても、あながち的外れとも言えません。3%はさすがに言い過ぎでも、親の代から事業を承継し、なお業績を伸ばせる二代目は3割あればいい方ではないでしょうか。

さらに、その中で周囲が驚くほど会社を成長させる経営者となると、確かに3%以下かもしれません。私自身、これまで3,000社近い顧問先を見てきましたが、すぐに顔が浮かぶのはほんの数社です。多くの二代目は、会社を引き継ぐことには成功しても、会社を進化させるところまでは届かないのが現実です。

そもそも、親の世代でうまくいったビジネスモデルが、子の世代でもそのまま通用するほど、今の経営環境は甘くありません。過去の成功体験は、ときに最大の資産である一方で、最大の足かせにもなります。医療のように参入障壁が高く、構造的に守られやすい業種は別として、昨日の勝ち筋が今日も通用する保証などどこにもありません。

だからこそ、承継で本当に残すべきなのは、古い商品や仕組みではなく、理念と社風です。理念は守る。
一方で、商品も仕組みも、時代に合わせて容赦なく変える。その覚悟がなければ、事業承継は“引き継いだ”だけで終わります。会社を承継する人に求められる本質は、結局そこに尽きるのだと思います。