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負けに不思議の負けなし

2026.04.15更新

オリンピック、WBC が終わり、気がつけば桜の季節になりました。
このブログが上がる頃には、もう散っているかもしれませんね。京都には、原谷園という遅咲きの桜で有名な場所があります。個人所有のちょっとした裏山を、遅咲きの枝垂れ桜や御室桜が埋め尽くしており、この時期だけ入ることができます。見逃した方は、少し足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。

 
事業承継から25年

さて、私がこの会社を引き継いで、今年で25年になります。自分でも信じられないのですが、とうとう親父と同じ年齢になります。親の年齢に自分が並ぶというのは、何とも不思議な感覚ですね。
25年前の4月2日に入社し、4月18日に父が他界。その間、父が会社に来たのは約15分だけ。そもそも3歳の時に離婚して、それきり関わりがなかったので、血縁とはいえ、かなりアウェー感のある事業承継でした。今振り返っても、あの時倒産していても何も不思議ではなかったと思います。それでも今こうして税理士を続けていられるのは、ひとえに温かく見守ってくださった皆様のおかげです。心より感謝申し上げます。

当時28歳でしたが、今、社内の28歳の若者を見ていると、「こんな若造が社長をやっていたのか!」と、我ながら驚きます。その若手に、「明日から社長をやってくれと言われたらどうする?」と聞くと、全員が即座に拒否します。25年前は就職超氷河期で、28歳の大学院卒にはろくな就職先もありませんでした。それに比べて今は、何度でも就職するチャンスがあります。もし今、同じ状況が起こったら………やっぱり承継しますかねぇ(笑)。

 

 
会社は急に悪くならない

よく、起業しても10年後に残っているのは1割などといわれます。しかし、商工リサーチによると、倒産した企業の継続年数は20年を超えているそうです。
つまり会社は、簡単には潰れない。逆に言えば、苦しいまま長く続いてしまうこともある、ということです。伸びる会社と、じりじり弱っていく会社。その差は、一発逆転のアイデアよりも、危ない兆候を見逃さないことの方が大きい、と私は思っています。

振り返ると、私は「どうやったら売上や利益が伸びるか」よりも、「どうやったら倒産しないか」「どうやったら業績が落ちていかないか」という、逆張りの思考が強かったように思います。お客様へのアドバイスも、結局はそこが土台です。積極策を提案しているようで、実際にはかなりリスク回避寄りかもしれません。理由は単純で、失敗には必ず原因があるからです。

野村克也監督の「負けに不思議の負けなし」は、経営にもそのまま当てはまります。うまくいかない会社には、必ず崩れる前兆があります。そこを見て、早く手を打つ。それが経営だと思っています。

 

せっかくですので、25年分、自分で体験したこと、教えていただいたことの中から、今の経営観を少し書き出してみます。

・チャレンジをしない企業は、必ず衰退する。大きな挑戦でなくていい。昨年と違うことを、1つやるだけでも違う。
・売上が対前年比3%減を10年続ければ、10年後には 27%減になる。最初の3%を軽く見てはいけない。会社は急に悪くなるのではなく、静かに弱る。
・停滞期に博打のような業態転換や投資をすると、大抵失敗する。苦しい時ほど判断は荒くなる。
・情報に疎いのは良くないが、行動しないために情報を集めるのはもっと良くない。
・本業でないことにどハマりすると、本業まで崩れる。むやみに支店を出すのも同じ。
・ストック型、リピート型のビジネスモデルや商品がある会社は、やはり強い。
・団体や勉強会に入ったからといって、全員が儲かるわけではない。儲かるのは上位のごく一部。本当に大事な核心は、簡単には外に出ない。
・財務を知っていると手堅い経営はできるが、数字にこだわり過ぎると、思考が細り、会社発展のスピードが鈍る。
・会社のお金を自分のお金と同じ感覚で見ている間は、大きな発展は望みにくい。
・大きな船は、曲がるのに何千メートルもかかる。だから、リスクは見えた時にすぐ修正しなければならない。
・新規事業は、自分がどれだけ儲かるかを先に考えると、成功確率が一気に下がる。「それって、お客さんは喜ぶけど、商売になるんですか?」くらいの距離感の方が、むしろうまくいくことがある。

 

こうして書き出すと、何ともまぁ暗いですね(笑)。春らしい陽気な話ではなく恐縮ですが、経営というのは、明るい話だけで成り立つものでもありません。何かの折に、ひとつでも思い出していただければ嬉しく思います。