2025.08.22更新
帝国データバンクによると、3年連続で倒産が増加しています。目立つのは建設業、サービス業、不動産業です。
また、私が知る限り、昨今は病院(クリニックではない)の経営難がかなり深刻で、金融機関の支援が打ち切られれば閉院となる先はいくつもあるでしょう。
資材高騰、人件費高騰、後継者不在、借金過多…倒産するときには、いろいろな理由があり、しかもいくつもの要素が絡み合っていたりします。
が、私が25年近く税理士をやってきて、倒産した会社の共通項を挙げるとするならば、
・経営トップが財務に疎い
・経営者の節税思考が強すぎる
・メイン銀行を頻繁に変える
・本業をおろそかにして、副業にハマる
・後継者が甘やかされて、考えが甘い
といったところでしょうか。
これらは総じて純資産が薄くなり、しかもキャッシュが不足しがちになるのです。自己資本、中でも現預金が豊富にあれば、多少ピンチになっても銀行は手厚く支援しますし、コロナのような突発的な事柄にも耐えることもできます。
逆も然りで、自己資本が薄い企業には、昨今、金融機関はかなり厳しい対応を見せますし、すぐに倒れてしまう印象です。
残念ながら、自己資本は一朝一夕には貯まりません。特に中小企業は賢く節税しながら、5年スパンで目標を立て、日々実行する必要があるでしょう。
また、後継者を甘やかしては絶対にダメです。甘やかされて尚且つ立派な人になった人を見たことがありません。その逆はいくらでもいます。くれぐれもご注意を。
2025.08.08更新
私は歴史小説が好きでよく読みますが、疑問に思うのは、冬の寒さについてです。特に雪の量が今とだいぶ違うように表現されている事です。調べてみると、戦国時代~江戸時代は今よりかなり寒かったようで、それが飢饉を誘発し、戦国時代が始まるきっかけになったという説もあるのだとか。
今は逆に毎年気温が上がっていますが、この先さらに気温が上がると世界的な食料問題が勃発するなんて話も耳にします。
そうなると、食料自給率の低い日本。このまま円安で大丈夫なのかな?…と思ったりもします。
ザイオンス効果
さて、皆さんはどこかでたまたま聞いた曲を、違う場所で聞くと、「あ、これ知ってる!」となり、そのままその曲やミュージシャンを好きになったという経験はないでしょうか?もしくはテレビやネットで見た物を、実際にスーパーで見かけてつい買ってしまったとか。
これは心理学的にはザイオンス効果と呼ばれています。アメリカの心理学者ロバート・ボレスワフ・ザイオンスが提唱したもので、「人は特に関心がなかった人や物事であっても、何度も会ったり目に触れたりするうちにだんだんと好印象をもつようになる」というものです。
私の例だと、今の新型クラウンを初めて見た時、「トヨタはよくもこんなヘンテコな車を作ったな…」と思ったのですが、何度も何度も見るうちに「なかなか格好良いかもしれない…」と思うようになりました。これはまさにザイオンス効果のなせる技です。
これを商売に応用するなら、「とにかく商品を目にする機会を増やす」「営業マンと顧客の接触回数を増やす」となります。
典型的なのはテレビCMですが、これは費用対効果が以前ほど望めません。しかし今はSNSという便利なものがありますし、メルマガや紙媒体もザイオンス効果を狙うなら短期集中で行うと効果的です。
ただし、これは落とし穴もあって、「接触が10回を超えると効果が望めない、あるいは逆にしつこいと思われてしまう」事です。
例えば私は識学の考え方が好きで本はよく読みますが、この会社の直接の営業はかなりしつこく、その点には嫌悪感を持っています。なので本は読みますが、コンサルとして導入する気は全くないです。同様のことを数名の税理士仲間から聞きましたが、これなどは営業政策としてどうなのかなぁと思っています。ファンの方はすみません。笑
プロジェクトは一つに絞る
最近、初心に帰ろうとドラッガーの書籍を読み返しています。その中で刺さったのは「1つのことに集中せよ」という事です。
事業の規模が広がるにつれ、経営トップとしてやるべき事も自然と増えますが、人間の能力、集中力にはおのずと限界があります。50歳を超えるとなおさら実感しますね…苦笑
少し前の話ですが、順調に規模が拡大した企業(クライアントではない)が、小売から卸売といった具合に事業の多角化を行いました。社長は高学歴で、若くて、とても行動力のある方なのですが、話しているとあちこちに話が飛ぶのです。「以前と比べてどうもフワフワしているなぁ」と思っていたのですが、多動力なんて言葉も流行っていたし、これはこれで良いのかなと思っていました。
数年経って、久しぶりにその社長に会いました。結果からいうとその会社の本業が停滞し、新規事業は部下の裏切りなどで失敗に終わり、借入過多となり銀行の管理下になっていました。
ドラッガーは、事業のイノベーションを推奨していますが、同時多角化については明確に否定しています。
引用すると、「モーツァルトは唯一の例外で、バッハもヘンデルも傑作は多いが、同時にたくさんの曲は作ってはいない」といった具合です。司馬遼太郎もその著書において、戦力を分散させる事の弊害をくどいほど書いていますが、ただでさえ人的資源の少ない中小企業は、一点集中を繰り返した方が成功する確率は高いように思います。
事業を多角化するとしても、プロジェクトを同時進行させない方が無難かなと改めて思った次第です。
2025.07.25更新
生成AI 、、皆さんどの程度使っているでしょうか?
直接的、あるいは間接的に全く使ってないという事はないかもしれませんが、めちゃくちゃ使いこなしているという人はおそらく少数派ではないでしょうか?かくいう私も、完全な末端ユーザーで、まぁ何とかついていってるという感じです。
が、こだわりもありまして、コラムは自分で考えて書くようにしています。
生成AIを使いこなしている知り合いに聞くと、「人間は、将来、考えることを放棄するだろう」と言います。AIが考え、人間は決断するだけというわけです。その決断すらAIに任せるようになったら、、、すみません、訳がわかりませんね。
ところで、技術革新によるパラダイムシフトは、過去にあらゆる場面で起こりました。レコード→CD→音楽配信 といった具合に。
しかし、みんなが新しいものを使うようになり、みんなが古いものを使わなくなるにはかなりのタイムラグがあります。このタイムラグを無視して新しい事にハマると、経験上大半は失敗します。
先進的なことに取り組めば大成功もありますが、大失敗もある、、、万馬券に有り金全てを賭けるような感じです。本当にそれに投資すべきかどうか?は、タイミングを見計らうことがとても大切だと思います。正直、能力だけでなく、運も相当左右すると思います。
もっとも、そのタイミングすらAIに判断を任せるようになるのかもしれませんね 笑
2025.07.11更新
先日昭和のスーパースター、長嶋茂雄氏が他界しました。私は現役時代や最初の監督時代は知りません。あっ、かろうじて王さんの最後のホームランは覚えています。
子供の頃はテレビで「浪人中」や「文化人」と呼ばれていて、バラエティー番組などにもたくさん出演されていました。その後、Jリーグができて野球人気に陰りが出た際、切り札として監督復帰した時のフィーバーぶりは凄かったですね。ドラフトで松井秀喜を引き当てたときは、「本当に持っているなぁ!」と思ったのを覚えています。
その後も10.8決戦、メークドラマや野村監督との因縁の対決などなど…これだけファンを惹きつけ、また野球ファンでない人からも愛された人はいないでしょう。心からご冥福をお祈りいたします。
さて、この長嶋家ですが、長男の一茂氏の行動から相続問題が話題になったことがありました。子息は4名。相続財産は20億ともいわれています。まともに計算すると、相続税は8億ほど。実に40%近くが課税されることになります。
しかし、報道によると長嶋さんは財団法人や自身の不動産や商標を管理する関連会社を所有していたとの事。豪華といわれる自宅も引き続き誰かが住めば小規模宅地の評価減が適用される可能性が高いので、実際には相当少ない額で済むのではと思います。
特に昨今値上がりしている不動産は相続税対策には欠かせないものになっており、現預金に比べて20%~50%程度しか評価されませんし、財団に寄付した財産も課税はなし。ミスターは相続対策もバッチリだったと推測されます。
ところで、息子の一茂氏が「私は相続放棄している」と以前言ったとの事ですが、これは法的には間違い。遺留分放棄と違って、相続放棄は相続開始後でないと出来ません。なので、本当に彼が財産を放棄したかどうかは3ヶ月経たないとわかりません。
相続税対策と、財産をどのように分けるかは密接な関係がありますが、お金に対する考え方は人それぞれです。私も、相続税対策をする時は、とにかくスムーズにいけば良いなといつも思います。
ホームランバッターは3人で十分
今回は野球にこだわりたいと思いますが、1990年代後半の巨人は、清原、ハウエル、江藤、広沢、石井といった各チームの4番バッターをFA等で獲得し、一堂に集めました。毎日がオールスターじゃないかといわれる位のメンバーです。
ところが全然勝てない。(笑)これに対して、多くの選手を引き抜かれたヤクルトが何度も優勝しました。全盛期の西武もそうなのですが、中心選手以外は守備が上手くて足が速いのです。西武の森監督は、清原、秋山、デストラーデ、この3人以外、ホームランバッターは要らないと言っていたそうです。
マネーボールという実話をもとにした映画で、めちゃくちゃ弱いアスレチックスが他のチームでクビになったような選手をかき集めて勝ち進むシーンがあります。その時のゼネラルマネージャーは、打率ではなくて、出塁率しか見ていなかったそうです。デッドボールでも何でもいいから、とにかく塁に出る。そしてヒットやホームランではなく、相手のエラーによる得点であっても1点は1点だという考え方です。
こういう野球を見せられて面白いかといわれれば疑問で、興行的にはどうかと思いますが、プロの目的が勝つことであるならば正しい選択だといえます。
長嶋さんはファンから見れば夢のようなチームを作り上げました。しかし勝つためのチーム作りや采配に関しては野村さんや森さんの方が上だったと私は思っています。
翻って、経営ではどうしても華々しい活躍をする営業マンや、自分のできないことをやってくれるSEなどに目が行きがちです。しかし、彼らも誰かのサポートがなくては、本当に得意な分野に専念させることはできません。そういう意味で、会社には多彩な人がいた方が良いと思いますし、一見ダメに見えるスタッフにも実は得意な分野があった…というのはよくある話です。
例えば社長が売上の最強スラッガーだとしたら、同質のスタッフではなく、そのお膳立てができるようなスタッフを意識して集めてみてはいかがでしょうか?また違う展開が見えてくるかもしれませんよ。
2025.06.23更新
ChatGPTに、最近の面白いニュースは?と聞くと、こんな表題が出て来ました。
ゾンビ企業…経営する側からすると、失礼極まりないネーミングです。定義は、ある会計士のnoteによると「自力で立つ事が出来ない延命措置によって生き続ける企業」とありました。
民間だけでなく、中小企業庁でもこの言葉は使われています。そして、これらゾンビ企業が淘汰される(=倒産)のは、経済が正常化するためには仕方ないなどと上記のnoteには書かれていました。
苦しい状況でも頑張っている企業の社長をたくさん知っていますから、簡単に淘汰などあってたまるか!と思いますが、ある銀行幹部は「融資先の2割は救えないと思っている」と発言していましたし、リスケしている企業には、必要な真水(新規融資)はほとんど供給されていないと感じるこの頃です。
一方でリーマンショックの時に、第二会社方式など、企業を再生させる手法はある程度確立、制度化されています。
M&Aで収益部門だけを生き残らせることも以前より容易になっていますから、借入があまりに重たい場合などは、顧問税理士やその道のプロに早めにご相談される事をお勧めします。
2025.06.16更新
福岡市、特に天神地区ではオフィスビルの建設が加速していますが、不動産業者さんに話を聞くと、テナントの需要に対して供給が多すぎるようで、ネットで出ている価格より20%ほど安く契約することが増えているそうです。
モノの価格は概ね需要と供給で決まりますが、なぜ需要が下がり続けていた米の価格が突如上がったのかは不可解。で、少し調べてみると、米は予想小売価格から逆算して価格が決まるという、かなり特殊な価格構造なんですね。なので、今回のように備蓄米を随意契約で小売業者に渡したほうが直接的なんだと私なりには理解しました。
一方で国による需要予測の失敗や、大規模な農業経営者が「もうこれ以上儲けなくても良い」と、政府の予想以上に米を作らなくなっているとの指摘もありました。身近な事でも知らない事は山ほどありますね。
税務調査について
さて、たまには税理士らしい事を書きたいと思います。
私は覚えているだけでも200件以上の税務調査に立ち会っています。事務所全体では500件は軽く超えていると思います。そういう意味では経験豊富です。
税務調査では、皆さんの過去の行動の全てを把握できるわけではありません。ですので、税法に違反していそうな部分、特に悪質なものを可能な限り探していきます。悪質な脱税については、見逃される事はなく、100%課税されます。悪質なものとは、《 売り上げの除外 》《 架空経費の計上 》が代表格です。
記憶に新しいのは、社長自らではなく、現場のスタッフが鉄などの金属を買取業者に横流ししていたというものです。しかしこれはあくまで会社が売上除外して、脱税したとみなされてしまいますので、注意が必要です。架空経費は、外注業者を利用したものがよく指摘されています。税務署の調査能力はある意味警察以上だと思います。夜中に現場に張り込んだり、ゴミ袋の中身をチェックしたり…。
ですので、架空の外注業者を作ってもその会社の実態を調べに行く位の事は当然やります。絶対に甘く見てはいけません。
また、会社で支払った代金の一部を値引きさせて個人に還流させている場合などは、法人税、所得税、消費税さらに延滞税に重加算税と、4重5重で課税されますのでとんでもない金額になることがあります。
これも社長ではなく、取締役が行っていて納税額が数億規模になったケースもありました。この手の悪質な脱税は最長7年間遡ります。
金額(概ね1億円)によっては刑事罰を前提とした査察調査(いわゆるマルサ)に切り替わることもあります。ですので、絶対に悪質な脱税をしないように、ご自身はもちろんですが、スタッフへの教育も万全に行ってください。悪気はなくても、取引先から持ちかけられて、結果的に重加算税を認定される可能性も少なからずあります。
ちょっと怖い話を先に書きましたが、税務調査の争点の大半はいわゆる見解の相違です。これらは話し合いによって決着する事が多いです。つい最近も、
「同業者との飲み会を交際費と認めない」
「高級外車は経費として認められない」
などの指摘がありましたが、「その同業者の話から得るものがたくさんあり、セミナーに行くのと変わらないし、参加しないと業界的に仲間外れにされ、不利益となる」「高級外車は通勤にもクライアント訪問にも使っているし、家には家庭用の車がある」と反論した結果、無事経費となりました。
税務署が来ないようにするためには?
法人の場合、税務調査に来る確率は統計上3%ほどです。が、規模が大きな会社、海外取引の多い会社、現金取引の多い会社などは経験上頻度が上がります。税務署はKSKというシステムから「これは怪しいな…」と思われる先を洗い出し、さらに書面上で調査してから実地調査に来ますが、これはブラックボックスでして対策しようがありません。しかもこのシステムは来年大幅に改良されるのだとか…。
そこで、納税側の防衛策としては書面添付制度の活用があります。これは税理士が企業の1年間の取引状況や経理体制を詳細に記載して税務署に提出します。これを提出しておくと、税務調査の場合も税理士と税務署側で書面のやり取りを行い、現場での調査が省略されることがあります。(100%ではないですが)
また、クラウド型の会計ソフトなどを利用し、経理に関してなるべく俗人化させない事も税務調査における対応策になりますのでご検討いただければと思います。
2025.05.23更新
先日スタッフとクライアントへ訪問する際、「TBSのキャスターは面白いねえ!特に永野芽郁ちゃんの出る作品は見るようにしてるんだよ」とはしゃいでいた翌日にあの報道が・・・。
私自身は芸事とプライベートは分けて考えるのですが、世間はそうはいかないようで、CMは打ち切り、来年の大河ドラマまで降板とのこと。
芸能界はいつからそんなに清廉潔白が求められる世界になったのかと思いますが、違約賠償金の額などは考えるだけで恐ろしいです。
話は変わりますが、会社を売却する際、よく問題になるのがコンプライアンス違反。
業績が良くても、法律違反が発覚して破談になったケースを何度も見ました。
特にメイン業務の法令違反、例えば、
・人員配置が法的に足りていない
・過重労働が発生していてる
・免許のない人に業務をさせている
などが発覚すると、ほとんどのケースでM&Aができなくなります。
会社を売却したいなら、法令遵守には特に気を使うべきでしょう。
ちなみに、会社のデューデリでは3~5年は資料を見返しますから、売却5年前からは特に襟を正しておく必要があります。
そうそう、弊社の案件ではないのですが、「デューデリで彼女へのプレゼントが大量に発覚した」なんてこともあるそうですから、くれぐれもご注意を!
2025.05.15更新
東洋経済の記事に、新興のIT企業に就職して、失敗した…
というのがありました。
有名私立を出て、カリスマな若手経営者がいるベンチャーに入ったはよいものの、
・理念経営の旗印のもと、朝から晩まではたらく
・有給休暇が取れない
・退職金制度もない
など、大手に就職した友人たちと比べて自分は不遇だというものでした。
まぁ、社労士の人が書いた記事なのでどこまで鵜呑みにするかという問題もありますが、この記事は大事な視点が抜けています。
それは、ベンチャーには大金を手にできるかもしれないという
夢(≒ギャンブル性)があることです。
朝9時から17時、有給休暇100%、こんな会社で新規ビジネスを立ち上げ、上場するのはかなり困難でしょう。というか、そんな会社は見たことないです。
また、そのベンチャー企業もいつしか経営が安泰して来れば、まともな経営者なら福利厚生を手厚くしていきます。
ですから、現時点での自分の待遇を比較するのがナンセンスというものです。おそらく、記事に出てくる友人は、大金を手に入れるチャンスは無いわけですから。
夢を取るか、安定をとるかは、その人の価値観によります。良い悪いではないと思う次第です。
2025.05.15更新
よく会社は3代目が潰すと言います
しかし、これは3代目が悪いのではなく、
2代目がダメで、3代目が継いだ時はどうしようもなかった…というのも多数あると思います。
私の父は、よく、
「可能であれば親族による承継が最も上手くいく」
と言ってました。血族でない幹部の1人が抜擢されると、ほかの幹部が嫉妬して辞めたりするからです。
しかし、親族の後継者が優秀である保証はどこにもありません。むしろ、そうでないことの方が多いのではないでしょうか?
親族の後継者が優秀であることに越したことはないですが、一つだけ資質の要件があるとすれば、それは、
「お客様を喜ばせる事に長けている」
事だと思います。
これができないようなら、経営者には向かない…というか、必ずや会社を潰す方向に導きますから。
その適性を知るには営業の最前線に放り出すのが得策です。間違っても最初から取締役などにして、温室栽培しないようにしましょう。育つものも育たなくなります。
2025.05.15更新
事業承継って、線路のポイント切り替えみたいなものでして、
間違えると脱線して大事故になりかねません。
中小企業の業績の95%はトップで決まると言われますから、その交代は良くも悪くも影響大です。
承継して良い方向に行けばよいのですが、経営者としての資質がない長男に無理やり経営させた途端、幹部が次々に退職して経営危機に陥った・・・なんて事例もあります。
私自身が会社を引き継いた経験と、20年間いろいろな会社を見てきて、
親子承継時にこれだけはやらない方がよいと思うことを列挙すると・・・
①兄弟仲よく経営させる
→ 経験上、兄弟ほど遠慮がなく、激しく喧嘩します
②遅すぎる事業承継
→ 後継者にも旬があります。例えば60代で新たにチャレンジするのはなかなか酷でしょう
③株式の兄弟間の分散
→ 買い取り請求など往々にして揉めます。後継者が100%持つのがベストでしょう
④親の退職金を借入で賄う
→「贅沢するな!」と、承継する息子と大喧嘩になりますから、保険等で簿外に貯めておくのがベターです
⑤後継者を現場に出さない
→ 現場を経験させないと、(屁?)理屈ばかりこねる社長になりがちです
⑥会社の状況を教えない
→ 状況が悪い場合、引き継いだあとで「こんなはずではなかった・・・」と激しく後悔します
⑦いきなり取締役に抜擢する
→ 自分の実力ではないのに、偉くなったと勘違いして努力を怠るケースが多々あります。
他にも色々ありますが、上記は最悪の結果を招くことがありますから、くれぐれも注意なさってください。
2025.05.15更新
皆様こんにちは!
私は、先月 24 日に 49 歳になりました。
織田信長は「人間 50 年」で始まる有名な敦盛をよく舞ったそうですが、その信長の寿命まで自分が生きることを、若い頃は全く想像していませんでした。年齢に伴って徳のようなものが積みあがればよいのですが、まだまだ足りていないと反省しきりです。
さて、急に時間ができたので、中小企業コンサルタントの小宮一慶氏の本を読み返してみました。基本的なことほど忘れがちですね……。ということで、その「基本」を書いてみます。
お客様は「QPS」という 3 つの要素で購入するモノ・相手を選んでいます。
Q クオリティ(品質)
私は洗剤やコーヒー豆といった日用品、食料品などはネット通販をよく利用します。一方で、カーペットや家電などは実店舗に出向いて確かめるようにしています。なぜなら、日用消耗品は機能として使用できればそれでよいですが、カーペットの触り心地や家電の質感などは直に見て、触って確かめたいからです。企業にとって商品のクオリティの追求は、「それを買って欲しい人の望むものの追求」と言えるかもしれません。欲求を下回れば、購買してくれませんし、あまりに上回るとコスト高になります。
P プライス(価格)
プライスはクオリティとのバランスで決まります。例えばメーカーズシャツ鎌倉のネクタイはほとんどが 5,000 円です。同様のものをポール・スミスで買えば 13,000 円以上します。クオリティもデザインもポール・スミスの方が良いことは素人の私でもわかりますが、無地のネクタイなどは見る人が「こりゃえらい安物だな!」と思わなければそれでよいので、私はメーカーズシャツ鎌倉で買います。クオリティに比して、割安だからです。価格はクオリティ、景気、ライバルの動向……など様々な要因でどんどん適正値が変わります。
経営者がいかに敏感でいられるか?が大事になります。
S サービス・その他
「S」は「その他の S」であり、実のところ、これが購買に大きく影響しているとのこと。例えば、同じような商品なら、「家の近く」「友人が働いている」「知り合いに勧められた」など、顧客が直接お金を支払わない要素が購買の決定要因になります。昨今においては WEB や SNS が代表格かもしれません。ちなみに、ある経営者が SNS からの情報は信憑性がないと言っていましたが、だからといって敬遠するのは時代錯誤も甚だしいでしょう。
なぜなら、報道各社は Twitter や Facebook、Instagram、TikTok などからネタを集めているからです。他にも、接客の良さ、社風、伝統などいろいろなものがこの「S」に含まれます。
上記の「QPS」が揃って初めて、モノやサービスが売れます。
私自身もそうですし、お客様を訪問して、「なんとなく行き詰まっている」「成長が鈍化している」場合は、この QPS の歯車が狂っていることが多いように感じます。
お客様が求めるのは行動と自分にとっての効果
お客様は従業員の意識などはどうでもよく、自分にとって役に立つか?だけを見ています。弊社の事例ですが、先日、ある社長様から「今回の決算はすごく満足だった!」とお褒めの言葉をいただきました。担当者にそれを伝えたところ、「私は特に何もしていません」とのことでしたが、
・返答が速かった
・言ったことを守ってくれた
・一歩踏み込んでアドバイスをしてくれた
など小さな行動を社長が評価してくれていました。仮に返答が遅ければ、たとえ担当者のモチベーションが高かったとしてもお客様は不満に思われたでしょう。モチベーションなどはあくまで売り手サイドの話で、お客様にとってどうでもよいことなのだと改めて思いました。
2025.05.15更新
スマホの出現で1番大きく変わったことは「人が待ち時間に対して我慢できなくなったこと」だと思います。
以前はパソコンでメールをして、翌日返信が来れば別にイライラすることはありませんでした。
しかし、今は朝LINEして、夕方までに既読にならないと
「遅い!何やってんだ!」
となります。
ましてや、既読後に即日返信がないとクレームの対象にすらなります。
要するに、どんどん気が短くなっているのです。
ただ、それはお客様に限ったことではなくスタッフも同じで、経営者もそのことを分かっておく必要があります。
例えば、賞与や報奨金の査定がそうです。
スタッフが大きな契約を取ってきたとして、それが半年後にしか換金されないとしたらどう思うでしょうか?
遅すぎてイライラするか、もしくは支給される頃には契約した時の喜びをすっかり忘れていることでしょう。
実際、知り合いの会社では、1年間の営業成績を期末にまとめて報告していました。
何度も「それでは遅すぎるよ」と忠告したのですが、「総務の都合もある」と頑として変えませんでした。
結局、
「俺の手柄が反映されていない!賞与査定はブラックボックス化している」
と大騒ぎになり、大量退職者が出て、今も業績は復活できずにいます。
評価は間違えていなかった にも関わらずです。
弊社では、例えば顧問契約が増えたら翌月には表彰しています。
その他、オプション的な仕事も即座に評価して賞与金額を通達しています。
人心掌握の天才だった豊臣秀吉は、金塊を大きな壺に詰めて自分の側に置き、手柄を立てた部下にはその場で手づかみして配ったそうです。
褒めるならすぐに褒める。
これが得策なのだと思います。
PROFILE
Takuma Suga
代表社員税理士
菅 拓摩
はじめまして 福岡から長崎までわりと広域に活動している税理士です。 社員300名いますが、経営者としても、税理士としても修行中です。