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経営上手は撤退上手

2022.06.15更新

皆さんこんにちは!

昨年は 5 月に梅雨入りでしたが、今年は例年並みとのこと。近年は梅雨の末期に毎年のように大きな水害が起こっています。今年は起こらないことを切に願っている次第です。

戦力は集中する!
以前、ある飲食業の社長(関与先ではない)とお話した時のことです。社長はイタリアン、焼き鳥、ビストロ、和食…と次々に展開していったのですが、本店を除いて支店の業績がどうもパッとせず、開店と閉店を繰り返しているそうです。社長はそれぞれのお店について色々な視点から次々とお話されていました。
今ひとつ業績が伸びない理由は色々あるのでしょうが、私が感じたのは「社長が器用過ぎて、力が分散されている」ということです。社長ご自身はとても行動力のある方で、事業展開はとても速い。社長がいなくても同レベルの料理、サービス、マーケティングが展開できるなら問題ないのですが、そこまで凄い幹部は育っていない。
結果として、ドラゴンボールのサイヤ人がずっとスーパーサイヤ人ではいられないようなもので、社長のお店に対する愛着や集中力が切れた時が閉店の時…という印象に映りました。
司馬遼太郎の小説、特に近代史を描いたものを読むと、「戦いは戦力を集中させた方が勝つ」とくどいほど書いてあります。逆にいうと、「分散した戦力は、敵の餌食になるのを待っているようなもの」です。そして、こんな簡単な鉄則が意外と守れないのは私自身も経験しているところです。

一つの事業の寿命はかつて 30 年、今は 5~10 年といわれます。調子が良いうちに次の展開を考えるのは企業にとって必要不可欠なことです。しかし、展開が早過ぎないか?戦力が分散され過ぎていないか?は常に気をつける必要があると思います。

経営上手は撤退上手
何事も新しいことを始める時は楽しく、気合も入ります。しかし、ユニクロの柳井社長が事業の成功確率は「1 勝 9 敗」とかつて書いたように、上手くいかないことも多々あります。そういう私も振り返ると結構失敗しています。

・建設業の経営審査事項に関するコンサルティング
・社会保険スタッフによる生命保険の販売
・コンテナハウス投資
・高級車の中古車販売

それぞれそれなりに勝算があって始めたことですが、結果的に全然ダメでした…。
今考えると、勉強不足もあって、事業として成長する姿が見えませんでした。他にもパッと思い出せないだけで色々あります(苦笑)
幸いだったのは、どれも会社として致命傷にならなかった事でしょうか。

テスト的にやってみて、直感的に「あ、これはいける!」と思ったら思い切って投資すべきです。しかし、「なんか嫌な予感がする…」場合はよく考える必要があります。一番まずいのは、撤退ラインを決めておかないことではないでしょうか。

ある社長は「5,000 万円損失を出したら、その事業からは撤退する」とスタッフにも明言しており、その通りにしていました。なので、幹部もスタッフも「社長はいつまであんな無駄なことやってるんだ?」というような批判はありませんでした。
逆に、新規事業に肩入れ過ぎて、本業までダメになった企業はいくつも見てきました。経営上手は撤退上手とも言います。株式投資と同じで、撤退ラインは必ず守る方が大失敗は少ないように思います。

バイタルワン経営を目指す

2022.06.01更新

ひところ「オンリーワン経営」というのが流行りました。
ライバルと差別化して、他にないブルーオーシャンをゆくというものです。
しかし、実はその上があったのをご存知でしょうか?
それが「バイタルワン経営」

「この会社、お店、サービスがないと、私は生きていけない!」
というとちょっと大げさかもしれませんが、その人にとってかけがえのない存在を目指すということです。

大分の湯布院に山荘無量塔という旅館がありますが、私にとってはここがそのバイタルワンです。
初めて行った時、前日に腹を壊してほとんど何も食べれず、それはそれは残念でした・・・。
それで、2ヶ月後に予約もせず、ふらっとカフェに立ち寄ったところ、総支配人さんが私に気づき、
「菅さん!! お身体は大丈夫でしたか?」
と駆け寄ってきたのです。

ニット帽を深々とかぶっていたので、「よく私だと気づいたな・・・!」
と思うのですが、名前も体調を壊していたことも全て覚えていて、
前回食べられなかったロールケーキとコーヒーをご馳走になりました。
その日から私はこの旅館の大ファンになりました。

こんなサービスは、瞬間的にはできても、続けるのはとても難しいです。
まして、スタッフ全員が出来るようになるには相当に時間がかかることでしょう。
でも努力を継続すればお客様は決して裏切らないと思います。
今後も、勉強を兼ねて、定期的に無量塔さんに伺おうと思います。

あ、そうそう、2度目に行くとこう迎えてくれます
「お帰りなさいませ!」