UP PARTNERS

BLOG

代表ブログ
service

六つのリーダー像

2026.08.17公開

先日、玄関の前にカブトムシが転がっていました。少し弱っていたので、ネットで調べてバナナをあげたところ、翌日には元気にどこかへ飛んで行きました。おそらく残り短い命。カブトムシにどの程度の知能があるのかは分かりませんが、懸命に生きようとする姿に、小さな感動を覚えました。



六つのリーダー像

さて、今回は最近読んだ 『コンテキスト・リーダーシップ』を参考に書きたいと思います。

リーダーには六つの型があるといわれてます。
細かく指示する「指示命令型」、方向を示す「ビジョン型」、調和を重んじる「関係重視型」、皆の意見で決める「民主型」、自ら先頭に立つ「率先垂範型」、部下の成長を待つ「育成型」です。

ただ、どの型にも長所と短所があり、互いに矛盾を生じさせます。
指示命令型は新人には好まれますが、ベテランには煩わしく感じられることがあります。率先垂範型は格好良い一方で、スタンドプレーと揶揄されることもあります。育成型は放置と紙一重ですし、民主型は組織を安定させる一方で、大きく伸ばす局面には向かないことがあります。



正解は「使い分け」?

ここで大事なのは、自分は何型かではなく、「今は何型であるべきか」ではないでしょうか。その典型的な紹介事例が、IBMを立て直したルイス・ガースナー氏です。1993年、ナビスコのCEOだった彼がIBMのトップに就くと、お菓子会社の人間に何ができるのかと疑問の声が上がったそうです。

当時のIBMは、前年に81億ドルもの赤字を計上し、会社を事業ごとに分割する案まで検討されていたそうです。しかしガースナー氏は、まず徹底的に財務を調べ、建て直し策を練りました。そして、「今のIBMに必要なのは美しいビジョンなどではない」と言い、まず経費削減や人員整理を断行しました。会社がなくなれば、美しい理念もまるで意味を持たないからです。

しかし、厳しい改革だけで終わらなかった点が秀逸です。3年で黒字転換させた後は、徹底して顧客とスタッフの声を聞き、事実に基づいて議論することを求めました。そしてIBMを、ハードウェアを売る会社から、顧客の経営課題を解決するサービス・ソリューション企業へと転換させます。経営が安定すると、今度はインターネット時代を見据え、「e-business」 を掲げました。

いうなれば、最初は指示命令型、次に関係重視型、最後はビジョン型と、会社の状態に合わせて、自らのリーダー像を変えたのです。



ビジョンだけでは人は動かない

日本では、写真フィルム市場の急減で、本業消滅の危機にあった富士フイルムが思い起こされます。自社の技術を棚卸しし、医療、化粧品、デジタルへと次々に事業を広げました。過去の成功に起因するプライドや、全員の納得を待っていたら、会社はなくなっていたかもしれませんね。

対照的なのが2000年代初頭のHP(ヒューレットパッカード) カーリー・フィオリーナ氏は大きなビジョンを掲げ、コンパック社との大型合併を行いました。しかし、まだ黒字だった社内にはIBMほどの危機感がなく、強いトップダウン姿勢も反感を招きました。すべて彼女の責任とするのは適切ではないと思いますが、合併はことごとく失敗に終わったとの事。リーダーが信頼されないと、結果は残らないという教訓だけが残りました。


経営者への信頼

中小企業、とりわけオーナー企業においては、一倉定氏の「すべての責任は経営者にある」という言葉が重く響きます。

先日、ある業績好調な企業の幹部と話していて、その会社の強さが分かる気がしました。その社長は流通に極めて見識があり、「例えば、スーパーなら豆腐の売れ行きを見れば、およそ黒字かどうか判断できる」と言うそうです。赤字と判断すれば撤退と自社の進出を提案する。その眼力を幹部が信頼している・・・こういう組織はとても強いと思います。



今、自分はどうあるべきか?

翻って、私自身はAIの発展に関して、大きなチャンスと同時に猛烈な危機感を抱いています。ただ、スタッフには恐怖を煽るのではなく、AIへの取り組みを会社の最優先事項としました。幸い、皆が猛スピードで学んでいますから、そこそこ私の判断を信頼してくれているのかなと思います笑

しかし、信頼は長い時間をかけて築いても、事業の失敗やたった一言の失言で一瞬にして壊れたりします。失敗を恐れすぎてはいけません。しかし、慢心はもっといけませんね。リーダーとして果たすべき役割は何か。今、自分はどうあるべきか。私もまた、日々自問自答しているところです。