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どうせなら格好良い会社で働きたい

2023.08.16更新

訪問した先々で「コロナは大丈夫だった?」とご心配いただき大変有り難く思いました。と同時に、この原稿が多くの方に読まれていることも実感し、改めて少しでも皆様に役立つことを書こうと思った次第です。

さて、経営は「常に営む」すなわち永続が最低限の目標になりますが、常に好調である事はおそらく不可能です。かの柳井正氏でさえ企業経営は「1勝9敗でよい」という名言を残されています。
私自身、20数年経営をしておりますが、スリル満点のジェットコースターに乗っているような感覚です。調子が悪いときほど本に救いを求めるのですが、過去にマスコミ等に「規範とすべき」と持ち上げられた会社は星の数ほどありました。
一方でいつの間にか名前を聞かなくなった会社も同じくらいあるでしょう。
今回は、一時はとてももてはやされた会社で、しかも私が過去に大きく影響を受けたものを 2 つご紹介します。

どうせなら格好良い会社で働きたい

元ワイキューブ、安田佳生氏の言葉です。
新卒採用のコンサルティングで一躍有名になりましたが、リーマンショックによる企業の採用控えが響きあっけなく倒産しました。質素倹約が最上の美徳とされる時に、彼は「お金をかけたオシャレで格好良い一等地のオフィスに入らないと、一流の人財は来ない」とオフィスへの積極投資を推奨。また、「社員教育で人は育たない。(名捕手の)古田はサボれば(凡庸な)カツノリになれるが、カツノリは努力しても古田にはなれない」と、採用、特に新卒採用への投資を主張しました。

不幸にも倒産しましたが、彼の言葉は今読み返してみると時代をある程度先取りしていたと思います。魅力のある企業に優秀な人財は集まり、結果として企業は発展します。よく考えれば当たり前のことを主張していたのだと思います。格好良いオフィスなどは、求職者に対してわかりやすい「魅力」なのだと思います。

夢に日付を

ワタミの渡邉美樹氏の代名詞的な言葉です。
夢は頭で考えるだけでなく、「実現する日付を書き込んで、そこから逆算してやるべき事を実行する事で実現する」というものでした。渡邉氏監修の手帳は大ヒットし、私も買いました。

しかし、2008 年にワタミの若手スタッフが過労自殺するなどブラックな企業体質が大問題となり、企業の評判は地に堕ちました。
業績も 2000 年代初頭は対前年 20% 台の驚くべき成長率を誇りましたが、2015 年からはマイナス傾向。今もコロナ前の業績を回復できずにいます。
ワタミの凋落は当時渡邉氏のファンだった私にはとても残念な出来事でしたが、夢に日付を入れるというのは素晴らしい事だと今でも思っています。エンゼルスの大谷選手の将来の夢と今やるべき事を書いた曼荼羅チャートが話題になりましたが、渡邉氏の言っていたことも実はほとんど同じです。
夢は逆算してこそ叶うというところでしょうか。

しかしまあ、つい最近のビッグモーター然り、カリスマと言われた経営者が過ちを犯して凋落していく姿は悲しいものがありますね。
経営者である私の叔父は「人は生きている間は完全無欠な存在になれるわけがない」と以前語っていました。
なるほどそうかなと思います。

どこに落とし穴があるかは本当にわからないものです。
これからも多くの人物が時の人となり、各種のメディアで取り上げられると思います。しかしその人が語る経営のノウハウを盲目的に自社に受け入れるのは考えものです。
大事なのは、「なぜその企業が成功しているのか?」まずは自分なりに冷静に分析する事だと思います。そして、自社に適している形にきちんとアレンジした上で取り入れれば、経営は良い方向に向かうのではと思う次第です。

事業の成功と失敗は表裏一体

2023.08.01更新

ある会社は本業のカラオケ機器レンタルが行き詰まり、億単位の借金を抱えました。
顧問税理士の私は返済不能と判断して、早期に破産する事を勧めました。しかし、銀行返済を止めている間に副業だった介護事業の業績が伸び、今も元気に活動しておられます。

ちなみに、顧問契約は「我が社と方針が違う」という事で解約されました…。これは私にとって忘れられない判断ミスとなりました。

またある会社は、繁華街の飲食店出店が大赤字。
これが足を引っ張って本業まで影響し、やはり億単位の借入返済が不能となり経営破綻しました。しかし、建物や土地など本業継続に必要な大半の資産は別会社が所有しており、こちらは担保に取られていなかったため、破産せずに本業を復活させる事が出来ました。
この会社、今はとても手堅く事業を展開しておられます。

成功は失敗の始まりかもしれないし、失敗は成功の始まりかもしれません。

経営の結果は、ほとんど全部が社長の判断にかかっていますが、上記2社は経営トップが最後まで諦めなかった事が共通していました。

何かの参考になれば幸いです。

経営の鉄則

2023.07.14更新

5 月末に、ついにコロナにかかりました…。喉の痛みはなかなかキツかったです。5 類になってもコロナはコロナ。気をつけなくてはいけませんね!

経営にはこうやったら成功するという王道はおそらくないのですが、「こうやったら失敗する」「こういう風にやったほうが確率が良い」というのはあります。20 年ほど経営をしてきてこれはと思うものを今回ご紹介したいと思います。

①スタッフとの約束は絶対である
ある会社が、利益が出たら決算賞与を出すとスタッフに約束しました。スタッフたちは喜び、仕事に励み、基準を満たし、利益が上がりました。しかし、社長は来年の仕事の受注状況を考えて賞与を出しませんでした。
結果として、大量退職につながり、会社は危機に陥りました。

おそらく賞与を数百万円支払ったとしても会社が潰れるほどの影響はなかったでしょうから、支払うべきだったと思います。この会社は業績を取り戻すのにかなりの時間を要しました。スタッフとの、特にお金に関する約束は絶対に守る姿勢が必要だと思います。

②頑張ったら頑張っただけ
ある会社が主力製品の製造工程を 2 チームに分けて、面白い実験をしました。
A チーム 1 個◯円 と言う請負制で作ってもらう
B チーム 時給で給与支給する
結果から言うと、A チームの圧勝でした。同じ時間で 2 倍の製品を作り、しかも品質がむしろ上がったそうです。頑張っても頑張らなくても結果が同じなら、「頑張らないのがスタッフの当たり前」です。頑張った結果には、せめてお金で報いることがとても大事だと思います。
ちなみに、このケースで請負のための別会社を作ると、消費税や社会保険料を大幅に圧縮できる可能性があります。

③役員貸付金は出来る限り作らない
役員貸付金とは、経費にならないお金で、役員が個人的な目的で消費したものです。
医療法人の場合は、法人成りの際の借入引継ぎの関係等でどうしても発生する場合がありますが、そこは気にされなくてよいです。しかし、度を越した交際費や使途不明金はいろいろ不都合が生じます。税務調査でも問題にされますし、銀行に「資産性がない」と判断されれば、利益剰余金から引かれてしまい、融資を受ける際に悪影響が出ます。

また、経理スタッフが反旗を翻して「うちの社長は、スタッフが稼いだお金を遊びに使っている」と SNS に投稿した例もあります。かく言う私も、WOWOW の視聴料がうっかり経費精算に混ざっていて、「菅はこんなものまで経費にしようとしている」と、陰口を叩かれた苦い経験があります。
貸付金は放置して金額が大きくなると返済が大変になりますので、できれば毎月、最低でも年に一回精算するよう心がけてはいかがでしょうか。

④経営理念を作る
日本企業の約半数には経営理念が無いそうです。言葉だけの理念に何の意味があるか?と思われる方もいると思います。私もかつてはどうでもよいと思ってました。しかし、規模が拡大するにつれ、会社は、経営理念を中心に運営されるのだと考えるようになりました。

例えばスタッフに「頑張れ!」と促す場合、理念のない会社では、「なんで社長のために頑張らないといけないの?」となります。自分の頑張りが社会貢献に通じ、結果に見合う報酬が入ってくるならば、スタッフは自ずと頑張ってくれます。

理念のある会社とない会社では、利益率が 40% 以上違うという研究結果もあります。過去に起きた戦争も大義名分のないものは必ず負けにつながっていますが、経営理念は企業が存在する大義名分だと思う次第です。

俺に面倒かけんなよ!

2023.07.03更新

小学校の頃を思い出してみてください。
クラスの担任発表は一大イベントじゃなかったですか?

人気のある先生に当たると大歓声!
そうでない先生に当たると、マジか!?
…てな感じで。

ところで、人気のある先生は大体”優しい先生”ではなかったですか?もしくは話が面白い先生か。

私もある年、とても優しくて面白いと評判の先生が担任となり、とても喜んでいました。
しかし、ある日の放課後に呼び出され、
「おい、菅、喧嘩はするなよ。お前が喧嘩すると管理不足とか言われて面倒なんだよ。俺は面倒なことはしたくないんだ」

…!

なるほど、この先生が普段優しいのは面倒を起こしたくない、要するに自分のためなんだと子供ながらに理解しました。それ以降、その先生の言うことを素直に聞けなくなりました。「どうせ、あんたが面倒なんやろ?」と。

まぁ、喧嘩ばかりしてた私が一番悪いんですけどね。

魅力のある人は、なんというか、深みがあって底が見えない感じです。しかし、何かのキッカケで底が見えた瞬間にその魅力が消滅します。

翻って、経営者はいかに底を見せないか?がとても大事で、ある意味俳優業でもあります。ある時は寛大に、ある時は尊大に、ある時はジャイアンのように、ある時は映画版ののび太のように…
1人で何役もこなす必要があります。

でも根底に自分ファーストでなく、スタッフを思いやる気持ちがあるか?がとても大事で、上辺の演技では何かの拍子に底が割れます。逆に、下手でも心から演じ続けていれば、やがてはそれが自分自身になります。

話が長くなりました。
間違っても、部下に
「俺に面倒かけんなよ!」
などと言わないよう、くれぐれもご注意下さい!

負けには必ず理由がある

2023.06.15更新

「勝ちには不思議な勝ちがあるが、負ける時には必ず理由がある。」

プロ野球の名将・野村監督がよく口にしていた言葉です。先日の私の誕生日4月24日、この日は戦国時代に賤ヶ岳で負けた柴田勝家公が落城自刃した日なのだそうです。

勝った羽柴(豊臣)秀吉こそが織田家の家臣筆頭のように思われている方も多いのですが、実のところ筆頭家老は長年にわたり柴田勝家でした。順番で行くと、柴田勝家、丹羽長秀、滝川一益、その次が秀吉と明智光秀でした。ですから、立場から言えば圧倒的に上役の勝家が部下の秀吉に負けた…。
柔道で言うなら、軽量の古賀稔彦が無差別級の山下泰裕を一本背負いした感じでしょうか。(例えが古くてすみません…)
ではなぜ負けたのか?知っている事を書いてみます。


①行動力と広報戦略で負けた
信長が本能寺で死んだ際、柴田勝家は秀吉より近畿の近くにいながら山崎の合戦には間に合いませんでした。理由は交戦中の上杉景勝と即座に和睦しなかったためです。秀吉が毛利氏と即座に和睦して大急ぎで帰って来たのとは対照的です。そして、明智光秀を滅ぼした後、誰を後継者にするか?清洲で会議が行われました。
この模様は三谷幸喜の「清洲会議」という映画で面白おかしく描かれていますが、要するに行動が鈍かったことを丹羽長秀に指摘され、自分が押す織田信孝を後継者にすることができませんでした。後継者争いに負けた事で勝家の求心力は揺らぎ、後々の味方がずいぶん減ったそうです。また、柴田勝家は織田信長の葬式を執り行う権利を有していましたが、これをしませんでした。
勢い、秀吉が執り行ったのですが、これは秀吉が事実上の後継であることを広める効果がありました。広報戦でも秀吉が一枚上手だったと思います。


②情報戦で負けた
柴田勝家は北陸を拠点としていました。当然雪の間は動けません。その間に秀吉は勝家の甥の勝豊(長浜城)を味方に引き入れました。養子なのですが、最近勝家と不仲であるという情報を秀吉が握っていたとのこと。そして勝家が雪で即座に動けないのを確認して、同盟者の滝川一益(伊勢)を一気に攻めます。この間、秀吉は通常の何倍もの諜報活動と情報統制を行なったそうです。
一方、勝家は秀吉の動向を知らず、家康の狙いを読み違えて味方にすることにも失敗しています。勝家は情報戦でも負けていたと言えます。


③自信がありすぎた
賤ヶ岳の戦い自体は当初は互角かそれ以上に勝家が優勢でした。しかし、秀吉の本軍が勝家が思っていたよりも早く戦場に到着したため、均衡が崩れ、前田利家などの裏切り(戦線離脱)もあり、あっけなく負けてしまいます。
司馬遼太郎は勝家が負けた理由を「結局のところ自信がありすぎたのだ」と総括しています。自信があるがために細かい点に目が行き届かず、大雑把な戦略、戦術しか立てませんでした。
結果として準備万端の秀吉に負けたと解釈しています。
日本電産の永守会長は、最近の著書で「経営者は臆病なくらいがちょうど良い」と書いておられました。同様のことは多くの著名な経営者が語っています。人は臆病だからこそ念入りに準備しますし、失敗しないよう工夫します。これは戦国時代も現代も変わらないのだと思います。


生成 AI の爆発的な進化、世界が体験したことのない人口減少、資源価格の乱高下、円安、金融不安・・・様々なことが日々起こります。こうした現実を追いかけるのは勿論とても大切なことです。しかし、変動が激しい今だからこそ歴史を振り返ることがヒントになることも多いと思うこの頃です。

ヘルメット、被っていますか?

2023.06.01更新

5月から自転車に乗る時はヘルメットを被るのが努力義務とされました。交通事故で、ヘルメットをしていない人の致死率は3倍に跳ね上がるのだそうです。

で、今日、通勤の約20分間すれ違う自転車を見ていたのですが、ヘルメットを被っていた人はたった1人でした。多分100台以上はすれ違ったと思います。まぁ予想はしていましたが、努力義務に効果はありませんね。

翻って、会社にはいろんなルールがあると思います。どんなに小さなルールも何か理由があってできているはずです。

例えば、弊社には日報を必ず書くというのがありますが、これはクライアントの状況を上長などが把握するために義務づけているものです。

導入当初、日報を書いていない人には罰則はありませんでした。しかしルールは必ず破る人がでます。弊社も特定の人の提出がルーズでした。

これは、放置すると流行病のように感染していきます。そしてそのルールは形骸化します。こうした事がいくつか続くと、あらゆるルールが会社に定着しなくなり、その会社は機能不全に陥ります。

なので、この日報のルール、破った人は1回につき1,000円、決算賞与から引くことにしました。現金な話ですが効果はテキメンで、提出率はほぼ100%になりました。

ルールは全員が守らないと意味がありません。そのために、罰則も時には必要です。努力義務ではダメなのです。

新しいことへのチャレンジ

2023.05.15更新

先日 50 歳になりました。あまり意識していなかったのですが、当日になってこの言葉を思い出しました。

「五十にして天命を知る」

天命どころか、まだ迷う事の方が多いですが、おそらくこの先税理士以外の道は無いと思いますので、求められる限りは頑張ろうと思います。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

新しいことへのチャレンジ

コロナに起因して、事業再構築助成金というものが出ました。最初は売上が減少した企業だけが対象でしたが、今は拡大されていて、幅広く新規事業を後押ししてくれます。ベーシックな成長枠での応募だと、会社規模にもよりますが、2000~7000 万円の補助金が出ます。医療法人が対象外なのが残念ですが、MS 法人での利用は可能です。
 
ところで、新規事業を検討する場合には、有名な分類があります。これは下に行くほど難易度が上がります。
1  既存の顧客に既存のものを提供する
2  既存の顧客に新しいものを提供する
3  新しい顧客に既存のものを提供する
4  新しい顧客に新しいものを提供する




1 既存の顧客に既存のものを提供する
いわゆるリピート商法で、最も効率よく利益を上げることができますが、新規事業ではないので今回は触れません。

2  既存の顧客に新しいものを提供する 
物やサービスを売る場合は、その商品が高額であるほど信用(ラポール)が必要となります。既存のお客様とは信頼関係が出来上がっているので、新しい商品を買ってもらえる可能性はぐんと高くなります。本格的に売る前にお試しで利用してもらうということもできるでしょう。

最近クリニックでサプリや化粧品などを売っていますよね?実は私も使っているのですが、これらは「先生が取り扱う商品なら間違いないだろう」という信頼のもとに成り立っています。また、以前ふぐ料理屋がうなぎ料理屋を買ったというのが報道されていました。同じ商圏の人を対象に、夏も冬も売上が上がるようになりますから、面白い戦略だと思いました。

3  新しい顧客に既存のものを提供する  
これは飲食店が支店を出すのを想像していただければと思います。飲食店で難しいのは、支店が増えるのに反比例してプレミア感が減ることでしょうか。また、新規の顧客を発掘するには、大きなコストがかかります。リアルな出店は内装費用等がかかりますが、最近は建築費が非常に高騰しています。またWEB サイトの場合でも売上手数料や広告負担金などで思うような利益が上がらないケースがよくあります。こうしたコストを最初から厳しめに見積もっておく必要があるでしょう。

4  新しい顧客に新しいものを提供する  
最も難易度が高く、失敗するリスクも高いです。その反面、成功した場合は、事業の大きな柱になる可能性もあります。大手なら京セラの携帯電話事業への参入や、富士フイルムの医薬品などいろいろあるのでしょうが、楽天は同じく携帯電話事業への参入で今の所大失敗していますね。

私が見た身近な成功例は、 
・保険プランナーが泡盛バーを再生して経営
・IT 企業がカレー屋さんを経営
… うーん、あまり思い出せないです。失敗事例はいくつも思い出せるのですが。

このように、一口で新規事業といっても類型があります。私が経営者である叔父からよく言われたのは、隣の商売を検討しろということでした。前述の分類で言えば 2 番にあたると思います。私の父が社労士事務所を併設したのは、まさに隣の業界だったからでしょう。
 
また先日、鉄の加工を行っている私の友人が、外注していた品質検査を行う会社を M&A で買い取りました。販路拡大も見込めますし、税制の特例でその年、数千万円払うはずだった税金をゼロにでき、おまけに事業承継の補助金まで受け取ることができたとのこと。

人手不足は深刻ですが、国の方針もあって、以前よりも新しいことに取り組みやすい環境になっていると思います。補助金の活用で投資リスクを下げることができないか? M&A などもっと効率の良い方法はないか?
弊社に遠慮なくご相談いただければと思います。

「持つ」経営、「持たざる」経営はどちらがよいか?

2023.05.01更新

一昔前、持たざる経営がとても注目されました。その対象は建物や機械などの資産でした。

弊社のクライアントで事業再生した印刷会社は、印刷機械を他社に売却して印刷そのものは外注へ。建物や土地も売却し、企画提案に専念しました。まさに持たざる経営を実践して今に至っています。

逆に、持たなかったばかりに経営破綻した会社もあります。介護事業で、施設の大半が賃借だったので、急な減額改正時に家賃を下げてもらえず、赤字が拡大し再生フェーズに追い込まれたという事がありました。これは建物を自社で持っていれば今も存続していたでしょう。

持つ経営、持たざる経営、どちらが是なのかは業態や周囲の環境によります。この辺りは経営者として本当に考えどころですが、銀行借入の元金返済が容易にストップできる現況を考えると、

・企業の存続に関わるものは出来るだけ自社所有
・なくても何とかなるものはレンタル


が基本かなと思っています。

社員は頑張らないのが当たり前

2023.04.14更新

社員は頑張らないのが当たり前

こう書くと身も蓋もないですかね?
「そんなことはない、ウチは違う!」という反論も山ほどあることと思います。

私は学生時代、かなりたくさんのアルバイトをこなしていました。深夜コンビニ、家庭教師、交通量調査、テストの採点、焼肉屋、お菓子の梱包…これらは全て時給でした。

すると、考えることはただ一つ
「いかに楽して、サボりながら効率的に稼げるか?」です。
1日1000円しか予算のない学生の私に高尚な労働意欲などあろうはずもなく…。とか、あまり書くと人格を疑われるのでこの辺にしますが、もしスタッフが頑張ってくれたらそれは当たり前ではなく、感謝するべきことなのだと思います。

とあるコンサルタントの本に
「頑張っても頑張らなくても同じなら、頑張らないのが当たり前。頑張る人は変人だ」とありました。

理念とか意義とか言っても、大半の人は無駄な労働はしたくないものです。ですから、せめて頑張ったらそれに見合った報酬を即座に用意するのが経営者の務めだと思います。

これは”即座に”というのがとても大事です。

即座にやるためには
・成果はできるだけ客観的な数値で計ること
・成果を即座に把握できるシステムの導入
・総務や経理のスタッフの協力

が必要です。

報酬の支払いが半年後、一年後では何を評されているのかボケてしまいますから効果も半減します。この点、くれぐれもご注意ください。

幸せは不幸な顔をしてやってくる

2023.04.03更新

毎年 4 月に京都の桜を見に行くのですが、第 1 週に行くか、第 2 週に行くかでいつも迷います。今年の冬は寒かったので、遅咲きだろうと予測し第 2 週に行くことにしたのですが、これが大ハズレ。もはや葉桜ですらなく、葉っぱを見ることになりそうです。今更予定変更もできず、現地で違う楽しみを探さなくては!と思っている次第です。

幸せは不幸な顔をしてやって来る

私は占いを信じない割には好きですし、霊感はありませんが運命的なものはかなり信じています。つい最近、田坂広志さんの本を薦められ、読んでみて、「なるほどな」と思ったのでご紹介します。
私は田坂氏の言うように、人生はある程度のグランドデザインは決まっているように思っています。例えば北海道旅行に行くのに直行便で行くか?東京経由で行くか?行き先が北海道の中でも札幌なのか?ニセコなのか?そのくらいの選択肢はあるように思いますが、大きな部分は生まれてくる前にある程度決まっているように思うのです。

そう思うようになったのは、大学受験と税理士になるために大学院の受験、そして父親の早逝がキッカケです。
大学は早稲田の政経を志望していたのですが、結局滑り止めの関西学院にしか合格出来ませんでした。関学の受験では古文は模試で出た蜻蛉日記、地理は前日に見た東南アジアの統計がそのまま出題されるという強運ぶりでした。

逆に早稲田では、ものすごく苦手な森鴎外の和漢混合文が出て、見た瞬間に終わったと思いました。しかし、もし早稲田に合格していたら、マスコミ志望だった私は税理士にはなっていなかったはずです。

税理士になるための大学院は、社会学部から経済学部へ行かなければならず、対策の取りようがなくて苦労しました。しかし、たまたま受けた大学院の教授が関学出身で、「後輩だから」と引き上げてくれました。また、この時もたまたま前日に読んだ新聞記事がそのまま出題されるという強運ぶりでした。

その後も、「たまたま」に幾度も助けられ、税理士資格を取りました。しかし就職直前にふと思ったことが、「27 歳にもなって、今更大企業には就職できない。今 1 番ヤバいのは父親が死んで、就職予定の事務所がなくなる事かもしれない」

不思議なもので、こういう予感めいたものはやたら当たるのです。父は私が就職して 16 日後に心筋梗塞で突如他界しました。

私が 3 歳の時に両親は離婚しており、私は北九州で育ちました。以来、父との交流は全くありませんでした。
・近くに友人はいない
・土地勘はない
・知り合いすらいない
・もちろん経営などしたことがない
・借金だけは2億円ある

今考えると、まぁまぁ崖っぷちだったと思います。その時は、「自分ほど運の悪い奴はいないかもしれない。でも今なら逃げる事もできる。」と思いました。
しかし、何故か逃げてはいけない気がして会社に残りました。そして嫌でも頑張らなければならない状況に初めて追い込まれました。結果、お客様や周囲のご支援があり、短い期間で普通の税理士の数倍の経験を積ませてもらいました。そして、おかげさまで倒産する事なく、今も仕事をさせてもらっています。

桜が咲く時期になると、あの時最大の不幸と思えたことが今に繋がっているのだと強く思います。そして「たまたま」の存在と支援してくださった方々に改めて感謝したいと思います。
以上は私の経験ですが、成功している社長や院長先生に上手くいく秘訣について聞くと、皆さん「自分の実力ではなく、たまたま〇〇という出来事があって…」とおっしゃいます。そして、何かしらの苦難を乗り越えた経験をお持ちで、ずっと順風満帆に来た方はお会いした事がありません。

そういう意味では、「たまたま」は何かに仕組まれた必然であって、「不幸」は「未来の幸せ」に繋がっているのだと自分なりに解釈しています。
さて、桜はおそらく散っていますが、きっと何か違う楽しみがあるはずなので、今年も京都に行ってこようと思います。皆様も、コロナによる制限がなくなった久しぶりの春を楽しまれて下さい。

居心地の良いところに留まるのはリスクである

2023.03.15更新

かつて岩盤浴がブームになりました。
コンビニ跡地などにドンドン出来ましたが、あっという間にブームが去り、今ではほとんど見かけなくなりました。ちなみに、同ジャンルでゲルマニウム温浴というのもありましたね。

これは、
・ニーズに対して施設が増えすぎた
・衛生に対するバッシング
・顧客が飽きた

などが衰退の原因でしょうか。

岩盤浴に限らず、いつの間にか消えたものはいくらでもあります。タジン鍋、タピオカ、高級食パン、高音質オーディオ…などなど。顧客のニーズは絶えず変化し、サービスは必ず劣化・陳腐化します。ですので、絶えずアップデートしないと取り返しがつかない失敗をする可能性があります。

しかし厄介なことに、ある程度成功した人ほど、過去の成功手法に囚われ、劣化の波に飲み込まれやすいようです。居心地の良いところに留まろうとするのは人の本質ですが、経験上それを理性と根性で打破しなくてはならないと思います。

ライバル達は成功者であるあなたに勝つために必死の努力・工夫をしているわけで、気持ちよく寝ているとあっという間に抜かれてしまいます。

経営は長旅でもあります。
ずっと全力で走り続けることは不可能ですが、居心地の良いオアシスでしばし休んだらすぐに出発!
次の困難の先にはもっと大きな成功がある!!

…そう思ってチャレンジを繰り返すのが王道ではないかと思う次第です。

任せたほうが上手くいく

2023.03.01更新

先日ゴルフをしていると、カワセミがいました。
写真愛好家には最も人気のある鳥で、「カワセミがいたぞ!!」と私は大興奮だったのですが、肥海と他の 2 名は「それで…?」と無反応でした。そういう私はおそらく BTS が隣でご飯を食べていても無反応だと思います。興味がない=存在しないのだと改めて思った次第です。

任せたほうが上手くいく
皆様の会社では、スタッフにどのくらいの権限があるでしょうか?ある会社は 1 万円の物品購入でも稟議書と代表者の決済が必要らしく、未だに紙ベースの稟議がとにかく多いとの事で、代表者のところで稟議が渋滞し、物事の決定がやたら遅れるか、ルールを無視するのが常態化しているそうです。
また、スタッフ 1000 人規模の会社で、社長が 3 万円以上の購入には全て目を通しているというのも聞いたことがあります。月の稟議決裁は 500 件を超えるのだとか。
これらは、過去にスタッフによる使い込みを経験しており、不正防止のために行われています。しかし、いちいち稟議を上げる側の労力も大変ですし、何より中間管理者の決済する、すなわち責任を取る能力が育ちませんから組織効率的にどうなのかな?と思わざるを得ません。

弊社でも以前は 5 万円が代表決済の基準でした。今は各社長、支社長 1 件 100 万円までの決済権限があります。それ以下でも相談してくることはありますが、反対した事はほぼないですし、基本は任せています。また、幸いな事に今のところ不正支出でスタッフを罰したことはありません。
但し、目標管理は厳しく行っていますから、決して放置しているわけではないです。利益が出ない部署に関しては時折総勘定元帳を見て無駄がないか見ています。
基本的に、経営者は誰かに監視されるのが嫌いですよね。命令されるのも然りです。しかしそれはスタッフも同じです。できる限り権限を与えて、任せた方が判断力も育ちますし、何よりやる気をもって仕事に当たってくれます。

先日のメルマガにも書きましたが、スピードが要求され、かつモラルの水準が上がっている現代では、性善説に基づいた経営の方が成果を出しやすいですし、経営も楽しくなります。同様の事はアンカー・ジャパン CEO の猿渡氏も著書の中で書いておられました。目の前に稟議書があれば、「これは本当に私自ら考えるべきことか?」今一度検討されてはいかがでしょうか?
かくいう私も、「もっと任せられる部分があるな…」とこれを書きながら思いました。

数打てば当たる

最近、WEB マーケティングについて色々な業者さんと話す事が多いです。自社の事もそうですし、お客様とマーケティングを一緒に考える事が増えました。ほとんどの企業はとりあえずHPを作ってそれで終わりになっています。
しかし、実際に新規のお客様を獲得しようと思ったら、作ったHP を目立たせる必要があります。となると、Google のマップ上に表記される MEO 対策が必須ですし、場合によってはキーワードによる広告が必要です。ちなみに、MEO は制作段階から取り組まないと効果が出にくいとの事です。
また、新規でお客さんを獲得したい場合は、企業に対する口コミ対策がとても重要になります。もし悪い口コミが書かれた時、相手がわかるなら直接連絡して謝罪した方が早いです。相手が不明でも WEB 上で対処する事で大半の炎上は防げます。
WEB 戦略に関して言うと、私の感覚は「数打てば当たる」です。
HP、リスティング広告、MEO、YouTube、オウンドメディア、各種 SNS…やるべき事を全てやると、打率が上がり、ホームランの本数も増える。やらなければまるで当たらない。何が決定打になるか非常にわかりにくいのが難点ですが、本気で取り組むと必ず成果が出ますから諦めずに対策してください!

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