UP PARTNERS

BLOG

代表ブログ
service

ゲームが変える現実社会

2024.04.01更新

NVIDIAが連日騒がれていますね。
元々はゲーム用の半導体チップを作る会社。すごいのはその処理速度で、実験で他社の20倍近かったというから驚きです。

50代の私からすれば、ゲームのイメージはドラクエかファミスタで、実社会とおおよそ関係ないものなのですが、ゲーム用の半導体が生成AIで世界のビジネスを変えているのですから、もうひたすら驚いています。

で、その生成AIですが、現役医師のXの投稿などを見ていると、患者の症状を適当に日本語で入力(それと音声で)するだけで、病名を2〜3に絞り込むことができ、しかもかなり的確なのだそうです。

となると、問診票に入力した段階である程病名が特定され、医師はその選択肢から最終判断を下す…今までとはかなり違う流れになるのかもしれませんね。

事務職に関して言うと、生成AIの行き着く先は人の手が要らない世界。これは大きな流れでしょう。しかし、ビジネスには責任がつきまといます。これは今の所AIでは代替できない。

ですから、これからますます「選択する」「決断する」「責任を取る」という能力が問われるのではないかと思っている次第です。

メジャーな友人

2024.03.15更新

毎年この時期に太宰府天満宮に梅を見に行きます。ここにはもう一つ楽しみがあって、梅の蜜を吸いにくるメジロの撮影です。が、今年は天候不順で梅が一斉には咲かず、メジロもいない。仕方なく梅ヶ枝餅だけ食べて帰って来ました。温暖化の影響はこんな所にも現れてますね。

 
メジャーな友人

 
さて、私の小学校時代の友人に面白い人がいます。名前は西畑誠君。もしよければ、今検索してみてください。いかにもインテリ風な顔が出てくると思います(笑)

彼自身語っていたのですが、日本での学歴は大した事なく、就職超氷河期だったこともあって、父親から「どうせ就職できないなら、アメリカに留学したらどうだ?」と提案され、シアトルへ。これが彼の人生を劇的に変えました。ちなみにネットではアメリカでMBA取得と格好よく書かれてますが、アメリカでは楽しく遊んでいたとの本人談です。

留学後、彼はYahoo!という企業が日本法人を作る事を知ります。半信半疑で就職し、結果としてネットオークションの仕組みを作りました。これが今のヤフオクです。そうこうしている間に、Appleという企業から誘われ、これまた半信半疑に入ったそうです。いうまでもなく、あのiPhoneのAppleです。ここでは幅広くマーケティングの仕事をしたのだとか。
次に行ったのがGoogle。ここでも日本での売上拡大で活躍した彼は、同じビルにあるメルカリから社長直轄のマーケティング部隊に誘われ、転職しました。

よくもこれだけ、わらしべ長者のようにメジャー所を渡り歩いたと思います。絵に描いたようなサクセスストーリーで、久しぶりに会った時はひたすら驚きました。そして今、彼の肩書きはなんと、ゴーゴーカレーの社長です。いわゆるフードテックを推進すべく奮闘しており、55 歳までに世界一を目指すとのこと。カレー屋で、しかも世界一と言われてもどのくらい大変なのか全くピンと来ないのですが、彼ならやり遂げそうな気がします。
こういう同級生がいる事は本当に励みになります。50 歳はまだまだ通過点。絶えず夢を持ち、チャンスが来たら迷わず挑戦せねばと思う次第です

 
あなたは〇〇な人ではないかもしれない

 
その西畑君ですが、私が知る限り大人しくて、周囲にジョークを飛ばすタイプでもありませんでした。今はとても堂々としていて、話も面白い。かなりというか、180度印象が変わりました。親からもらったDNAはもちろんあるのでしょうが、それ以上に周囲の環境や努力で人は変わるのだと思います。

よく若手が、私は〇〇な人だから…と言うのを聞きます。

・営業が苦手
・初対面が苦手
・人前で話すのが苦手
・事務作業が苦手

しかし、その大半はほんの少しの経験、しかも大した努力もせずに決めつけている…いわばピーマンの好き嫌いみたいなものです。やらせてみたらすごく適性があった…なんて事はそこら中にあります。
今の20代は特に、周囲が遠慮して、嫌いな事を無理矢理させられたなんて経験はあまりしていません。本人が好きな事だけやって成功すればそれが一番ですが、若い頃の好き嫌いなんて本当にアテにならないものです。

 
年長者が経験則で適性があると思ったら、説得してやらせてみる事で大きな花が咲くかもしれません。翻って、少なくとも30代までは自分の可能性を自分で狭めないようにして欲しいと思います

今の不得意は将来の得意技?

2024.03.01更新

子供の頃、ピーマンが嫌いでした。今は好きです。
子供の頃、らっきょうが嫌いでした。今は好きです。
子供の頃、ニュースが嫌いでした。今はニュースしか見ません。

 
男性なら、女性への考え方が変わるのもよくある話。
若い頃はとにかく外見が大事だったのに、年と共に外見より雰囲気や価値観が大事になったり。

 
23年前、私は会社を突然引き継ぎましたが、とにかく営業というものが嫌でした。苦手でした。
セミナーは、あがり症なので30分も話すのが堪らなく嫌でした。
しかし、会社の発展のため嫌々ながらやっていくと次第に慣れ、
・新しく人に会うのが楽しみ
・セミナーは最低90分枠が欲しい
と、かなり好きな部類の仕事となりました。逆に、あまり使わない単純記憶や正確な事務能力はかなり衰えました。苦笑

 
若い頃の価値観や得意・不得意は全くアテになりません。
その後の環境、努力・研鑽でいくらでも変化します。逆も然り。得意な事も磨かなければ腐ります。
20代、30代なら即座にいくらでも自分を変える事が出来ます。今の価値観や好き嫌いに囚われすぎず、やりたい事を存分にやる事をお勧めします。
そして仮に今、仕方なくやっている事があるとしても、努力していれば、将来必ずあなたに何らかの恩恵をもたらしてくれるはずです。

ベンジャミン・フランクリンから学ぶリーダーシップ

2024.02.15更新

先日、歯科医院の開業セミナーの講師で久しぶりに沖縄に行きました。
沖縄は人口が増えている割に歯科は増えていません。医科もほぼ横ばいです。なので、医療ニーズは今後ますます増える予測で、建築費の高騰にも関わらず金融機関は積極的に融資をしています。

その建築業の方に話を聞くと,今後も建築費は下がらないだろうと口を揃えます。少し調べると、例えば国税調査の「大工就業者数」は、現在30万人ほど。これは20年前の半分でしかありません。しかも、60歳以上の方が約半数を占めます。建設業全体の就業者数もピーク時の30%減です。

円安、資材輸送費、資材の高止まりなど色々な要素が組み合わさりますが、建築価格は今後も簡単には下がらないと考えた方が良さそうです。ですので建築を伴う設備投資にしても、住宅にしても「いつ建てるべきか?万博が終わるまで待つべきか?」と質問された際は、「今でしょ!」(←古くてすみません…)と答えるようにしております。

 
ベンジャミン・フランクリン

 
さて、今日は最近読んだ楠木建氏の著書「経営読書記録」からベンジャミン・フランクリン(1706~1790) をご紹介します。既によく知っているという方、もし私の説明が間違っていたらこっそりご連絡ください(笑)

彼はアメリカでは建国の父として知られていますが、「凧をあげて雷が電気であると証明した人」の方が馴染み深いでしょうか。しかし彼はいわゆる専門家ではなく、「究極のジェネラリスト」だったそうです。実業家、政治家、外交官、物理学者、気象学者・・・今でいう多動力を地で行く人だったようです。
印刷工から始まり、実業家として大成功しましたが、信条は「信用第一」で、事業で成功するために13の徳目というのを弱冠23歳で打ち立てています。

『節制 沈黙 規律 決断 節約 勤勉 誠実 正義 節度 清潔 平静 純潔 謙虚』
これだけ見ると宗教っぽいのですが、彼の面白さは「そのようにすることが結果的に自分の利益になる」と考えていたことでしょう。
例えば、「節制する→人から信用されやすくなる→仕事が増える→勤勉に働けば財務的に豊かになる→お金が心に余裕を与える→道徳的な人格形成に役立つ」みたいな感じです。もっとも最初に志向した「(イエス・キリストのような)完璧な人間」にはなれなかったと述懐しています。

 
彼については有名なエピソードがあります。 

フランクリンの住んでいるフィラデルフィアは道路が舗装されておらず、いつもグチャグチャに汚れていた。そこでまず、清掃してくれる人を探した。候補者は「全ての家が6ペンス(今の3000円くらい?)出してくれればやってもよい」とのことだった。
フランクリンは、道路沿いの各家庭に「道路がきれいになれば毎日靴を磨かなくてすむ、洗濯も楽になる、人通りが増えて商売繁盛する」等々、住民の実利を訴えたところ、なんと全ての家が清掃に賛成した。かくして道路はキレイになったが、「どうせなら舗装しよう」という世論が出来上がり、道路は見事に舗装され、フランクリンの当初の目的は達成された。


  
これはリーダーシップというものを考える上でとても考えさせられます。
というのも一人の反対、犠牲を出さずに目標を達成して、しかも関わった全員が利益を得ることができているからです。
会社経営をしていると、敵を倒すとか、誰かに無理を強いなければならないとか、何かを得るために何かを捨てなければならないという場面によく遭遇します。しかし、全員が納得できないとしても、常に全体最適を考え、目標が最短ルートで達成されるよう考えるのが経営者の努めだと思います。

経営学者の楠木建氏はフランクリンを以下の趣旨で評しています。「フランクリンは人間の本性やそれによって構成される社会の本質を理解していた。本質を掴む人は今も昔も同様の成果を得る」
豊臣秀吉や劉邦でも似たような逸話が残っていますが、人間の本質はなにか?人間が本当に求めるものはなにか?経営とはそれを考え続けることなのかもしれませんね。

母ちゃん、ごめんなさい

2024.02.01更新

受験シーズン到来ですね。
私はこう見えて国立附属中の出身です。年末に実家の掃除をしていて、偶然中学校時代の成績表を見つけました。

「小倉地区8500人中482番」

これだけ見ると悪くないのですが、
志望校(小倉高校)には見事に落ちました・・・。
ここ一番に弱いのは今も変わらないです。

ちなみに、私の学年は3クラス135人いて、78名が小倉高校に合格。その内40名が私が学級委員を務めるクラスでした。
では、みんな脇目もふらずに勉強していたか?というとそうでもなく、文化祭などのイベントごとがあると日が変わるまで残って練習していました。団結力はなかなかのものだったと思います。
あ、私が不合格だったのは、そういう行事に熱中してほとんど勉強しなかったからです。
今更ですが母親に謝罪します。本当にごめんなさい。

さて、仕事柄色々な会社を見ますが、業績を安定して伸ばしている会社は、一度やると決めたときの団結力、徹底力が凄いです。
逆に、伸び悩む会社ほど「自主性、個性が大事」などといって幹部や社員を甘やかしています。
個性の尊重も大事でしょうが、社として決めたことをやらないのは単なる「ワガママ」「怠慢」です。

これらは徹底排除しないと会社はいつまでたっても発展しませんし、そのスタッフもダメ人間になります。まさに三方悪しです。
採用難の時代ですが、「辞められると困るから」とスタッフを甘やかすのは避けたいものです。

私の尊敬する関西の経営者が言ってました。
「社員が社長の上に立つような会社はあきまへんで」
まさにその通りだと思います。

成功する要因とは?

2024.01.15更新

新年おめでとうございます。旧年は大変お世話になり、心から感謝申し上げます。
昨年末、今年の一文字は「虎」でなく、「税」でした。振り返れば増税への批判殺到、慌てて減税、そして脱税発覚と、何かと税金が話題になった年でした。弊社は例年と変わらず、今年も適正な申告と最少の納税を最大のサービスとして皆様にご提供したいと思っております。

20数年この仕事をして、様々な会社様を見てきました。その中で私なりに成功する要素について話してみたいと思います。

 
慎重派よりチャレンジャー
年末にチャレンジングという言葉が金融界隈で話題となりましたが、事業の盛衰速度が極めて速い昨今は、武田信玄のような山のように動かない人よりも、上杉謙信のように思い立ったら即行動という人の方が成功する確率が高いように思います。
私が懇意にしているA社長は、複数の金融関係の企業を立ち上げた上に、飲食業まで手がけておられ、本当に多才・多彩な方です。その社長曰く、「何か新しい事を見つけるとワクワクして居ても立ってもいられなくなる」との事でした。そして、不思議なことにある事業が後退期に入ると、後で始めていた事業がそれを補うのです。
社長の時流を読む才能や研究熱心さ、そして社員を大事に思う心が運も引き寄せているのかもしれませんね。年齢が50歳を過ぎると、失敗したくない一心でどうしても守りに入りたくなりますが、社長の即断即決で攻める姿勢を見習いたいと思います。

 
無借金より大借金
この仕事をしていてつくづく思うのですが、「借金も財産のうち」というのはおおよそその通りです。そもそも借り入れするには企業体力と信用が必要です。例えば、借り入れ100億円となると、最低でも安定して10億円位は利益が出ている必要があります。
一方で借り入れをして会社のBSを大きく見せ、大きく商売するのはリスクがあり、とても勇気が要ります。しかし、リスクのないところにリターンはありません。かつてアサヒビールは借り入れで積極的に投資を行い、シェアで6倍以上差があったキリンビールに追いつきました。弱者が強者に勝つにはどうしても借り入れという手段(ハッタリ?)が必要だと思います。もちろん、返済不要の資本調達でも構いません。

 
キレキレより好感度
業種にもよると思いますが、高学歴の方が事業で成功する確率は低くはありません。東京大学を出たベンチャーの社長と話していると、「これは搭載しているエンジンが違うな」と感じることが多々ありました。しかし、キレがありすぎる人は、往々にして人的なトラブルを起こす傾向があります。そのベンチャー企業の社長は上場しながらスタッフとのトラブルで解任され、会社の業績もパッとしないままです。
知恵者で有名だった黒田官兵衛を、司馬遼太郎は「知恵が腫物のように剥き出しになっていることが災いして秀吉から嫌われ、大大名になれなかった」と評していましたが、優れた経営者ほど知識をひけらかさないように思います。
奥ゆかしさが、ある種の魅力になり人を惹きつけている…そのように感じます。日露戦争で陸軍大将を務めた大山巌は、若い頃は秀才で鳴らしたそうですが、歳をとるにつれ、その才能を隠し、緊迫した場面でもジョークで周りを和ませていたそうです。何かの参考になれば幸いです。

 
長期より短期勝負
これは以前にも書きましたが、京セラが長期の計画を立てない事は有名ですよね。私の場合は、「凡人に3年後なんてどうせわからない」ので、今年やるべき事を書き出し、年末に進捗度合いをスタッフとチェックしています。すると意外と達成している事に気付きます。
大学受験と同様ですが、毎年の頑張りこそが長期的な成果につながると思っており、5年計画などにすると、怠け者の私は「まだ5年あるから来年やればいいか…」とすぐに油断してしまいます。なので、単年度を重視するのは今年も同様です。
コンサルタントなどが好む中期、長期計画は社長の頭の中にあれば充分で、また、仮に作ってもそれに縛られる必要も全くないです。

 
さて、年頭から好き勝手に書かせていただきましたが、今年もスタッフとともに皆様のため知恵を絞りたいと思います。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

退職金は会社で、長期運用する

2023.12.15更新

11 月の終わりに今年も京都に行ってきました。
驚いたのはホテルの価格です。京都のホテルは軒並み、コロナ前の 2~3 倍の室料になっており、それでも海外旅行者が殺到して稼働率は 75% を超えるというのですから、円安で日本がいかにリーズナブルかということでしょう。
一方先日、中洲のバーで事情通のマスターと話していた所、「儲かっているのは有名なラーメン屋さんくらいで、いわゆる中洲は不景気そのものだよ」との事でした。観光客が SNS の撮影目当てに歩いているけど、お店の中には入っていかないのだそうです。
コロナ騒ぎが終わっても全てがうまくいくというわけではないと、改めて思った次第です。

 
「退職金は会社で、長期運用する」

 
増税メガネと言われた日本のトップ。
インボイスや電子帳簿保存法など、本当にどうしようないものを導入してくれて、税理士としては迷惑そのものでした。しかし、NISA の大幅拡充だけは評価に値すると思っています。
デフレを通り越して、これだけインフレが常態となってくると、現預金、それも円だけで資産を持っている事はあまり得策とは言えません。ある程度資金を投資に回すことがリスクヘッジになる時代になってきたと言えます。

翻って経営者にとって、退職金をいくら取るか?はとても大きな問題です。
私は以前から、「役員給与は税や社会保険のコストが高いので、退職後の資金は会社で貯めた方が効率的」「退職金は生命保険などで簿外で積み立てる方が何かと良い」と提案してきました。税コストのこともありますし、例えば退職金を借入で賄うと、返する次の世代(要するにご子息)と喧嘩になることが非常に多いというのが理由の1つです。
簿外で貯めておけば、もともとそのお金は運転資金ではありませんから、「資金が流出する!」と、揉める可能性は極めて低いです。そのこと自体は何も変わっていません。

以前と少し変わったのは、退職金積立の主力である生命保険において、節税よりも運用という側面が強くなったことです。ある外資系の生命保険のトップセールスマンと話していたところ、この数年は経営者にドル建ての変額保険がとにかく売れているそうです。今後円高になる可能性もありますが、保障もしながらドル資産を増やせるので、ある意味リスクヘッジになると考える人が増えたと言えます。
とはいえ、お金を貯めるには 10 年単位の時間がかかりますし、生命保険に加入する場合は「健康である」という条件も必要です。思い立ったが吉日で始めるとよろしいかと思います。もちろん、生命保険ではなくインデックス系の投資信託など比較的安定した投資商品、政府系の小規模共済を活用しても良いと思います。

 
「良い会社はやめられる会社」

 
私の父(すでに他界)は、身体が弱かった反面、とにかく経営が上手かったと今更ながら思います。
その父が「良い会社とは、いつでもやめられる会社の事さ」とよく言ってました。なので不吉と叱られそうですが、当時はお客様の決算報告時に、「今、会社を閉じたらいくら残るか」を毎年計算して報告していました。
理想は①流動資産(現金や売掛金)で全ての借入を返済できること。
その次は②固定資産を売れば借入を返済できること。
要するに、資産におけるキャッシュの比率を上げておきなさいということです。業種にもよりますが、①の会社は意外と少ないのが実情です。
リーマンショック、コロナパンデミックと2つの大きな経営リスクを経験しましたが、結局生き残るのはキャッシュリッチな会社です。今後も様々な〇〇ショックが来ると思いますが、頼りになるのは現預金、あるいはすぐに換金可能な資産である事に変わりはないと思います。

さて、本年も皆様には大変お世話になり、グループを代表して心から感謝申し上げます。来年以降、コロナ騒ぎがいよいよ終わり、逆に政府からの補助金・助成金は縮小し、コロナ時の借入金を本格的に返済してゆく局面になっていくと思いますが、その分さらに気を引き締めて業務にあたる所存です。

この冬はインフルエンザに特に注意が必要との事。皆様くれぐれもご自愛いただき、良い年をお迎えください。

社風は教育と習育で作る

2023.12.01更新

スタッフ教育で悩んでいる方は、とっても多いと思います。

先日、19年連続で増収増益を果たした元トリンプジャパンの吉越浩一郎さんとお話しする機会がありました。吉越氏は、
「スタッフ教育には、教育と習育の2段階がある」
とおっしゃっていました。マニュアルに沿って基本的なことを教えるのが教育。しかし、そこから先は自ら習う姿勢を植え付けるのがとても大事だということです。

結婚式で有名なアイ・ケイ・ケイの金子 和斗志社長は、有望な社員は自分のカバン持ちにさせ、自らの考え方や仕事の仕方を目の前で見せるそうです。そこで習った方が幹部になっているのだとか。

私もこの手法はよく使っていまして、2〜3年目のある程度育ったスタッフと一緒にお客様を訪問し、目の前で仕事を見せています。行き帰りの車内では考え方について議論します。

すると、1年も経つとどこかしら私に似てきます。漫才の師匠と弟子のような感じです。こういったスタッフが記憶する限り20人ほどおりまして、彼らが社風を作っているのだと感じます。

全てをマニュアルに書き出す事は可能です。しかし、ハンバーガーショップで「床に落ちたパテは廃棄します」などと書いていたらキリがありません。

会社にとって大事にしたいことは、経営トップや幹部クラスが直接教え、考えさせるのが1番手っ取り早いと思う次第です。

この先生でダメなら仕方ない

2023.11.15更新

ラグビーワールドカップの決勝を早起きして見ました。ボール支配率60%、しかも長時間14人で戦ったニュージーランドは勝負に勝って、試合で負けた感じでしょうか。
ところで、今回のワールドカップは実力伯仲で僅差の試合が多く、それだけにレフェリーの技量も問題になっていました。決勝の主審であるバーンズ氏はまさに最高の技術を持っている方だったそうで、観客からのブーイングもほとんどありませんでした。レッドカードでもクレームが出なかったのは、「このレフェリーの判断なら仕方ない」というところでしょうか。

この先生でダメなら仕方ない

私はフェレットという子猫みたいな生き物を学生時代から通算9匹飼っています。自由気ままな生き物でして、犬と比べると格段に手間がいらないのですが、病気になった時に見てくれる獣医さんが非常に少ないのが難点です。
たまたま会社の近くで診てくれる医院を発見し、かれこれ10年以上通っています。この医院を見ていると、まさに24時間体制で稼働してまして、水曜の手術日以外は休みなく外来診療。他の日も昼休みに手術するなど、奥様と2人でほぼ休みなく働いておられます。
私としては「この医院でダメと言われたら仕方がないな・・・」と思うくらい努力なさっていますし、先生の技術を信頼しています。これだけ重労働だとスタッフがついて来れるのかな?と思うのですが、不思議なことにベテランのスタッフが多数在籍しているのです。
 
そこで、「ここは患者さんも滅茶苦茶多いし、土日も仕事だし、大変ではないですか?」と馴染みのスタッフさんに聞いてみたのですが、「もちろん大変ですよ。しかし、動物は可愛いですからやりがいがあります。何より今でも患者さんと一緒になって喜んだり涙している院長と奥様を尊敬しています」との事でした。
 
経営コンサルタントの小宮一慶氏は、著書「できる社長はこれしかやらない」の中で、
最高のリーダーは自分の存在を意識させないリーダー
その次は敬愛されるリーダー
その次は恐れられるリーダー
最悪は馬鹿にされるリーダー
と書いておられます。
この院長先生は一番上か、その次くらいに位置しているのでしょう。ちなみに私は多分下から二番目の怖い系ですかね・・。馬鹿にされるのは論外として、一段でも上に行きたいと毎月通院するたびに思う次第です。


誰のために頑張るのか?

世相を反映して、最近スタッフの退職や人手不足に関するご相談をよく受けます。弊社も採用に苦労しているのは同じでして、皆様の気持ちはよくわかるつもりです。AI 活用による省力化や外国人採用など解決の選択肢は様々ですが、「これさえしておけば大丈夫」という必殺技はないので、ハイブリッドで色々試すしかないと思っております。
ただ、大量退職など会社を揺るがすような大問題が起こる先には共通点があるように感じます。それは、経営理念が無い、あるいはあっても形骸化していることです。

経営理念の大切さは以前にもしつこいほど書きましたが、理念がない企業は要するに、「経営者である俺の貯金のために働け!」とスタッフから受け取られてしまうのです。ですから、離職率が高いと感じる場合は、基本に立ち返って会社の存在意義、経営理念をもう一度見直してみては?と思う次第です。

「うちは◯◯して社会の役に立ちたい。役に立って得た利益はみんなに還元する。だからみんな協力してくれ!」というのが組織活動の根底だと思います。また、経営者は、結局のところどれだけ大きな組織を作ったか?多額の資産を貯めたか?ではなく、「どれだけ多くのものを配れたか?どれだけ多くのに喜んでもらえたか?」で評価が決まると思います。
特にスタートしたばかりの頃はそんな事を考える余裕などないと思いますが、ふとした時に思い出していただければ幸いです。
最近、亡くなった大先輩税理士の言葉をよく思い出します。「菅君、『得たければ先ず配れ』の精神が大事だよ。」

人口は嘘をつかない

2023.10.16更新

先日、サザンオールスターズの 45 周年ライブに茅ヶ崎まで行ってきました。私はかろうじてデビューの時を覚えていまして、「裸で歌ってドリフみたいだな」・・・と。

実際、桑田氏はいかりや長介氏から直々にドリフに誘われたことがあるそうです。いとしのエリーなど、懐かしい曲が流れると、色々な思いが交錯しますね。年と共に涙もろくなっているのも実感しました。



「人口は嘘をつかない」

経営の神様と言っても良いでしょう、ピーター・F・ドラッカー博士の言葉です。博士は「自分は予言者ではない」と常々語っていました。さらには「私は経済学者でもない」と言っていたようですが、博士の予言めいた予測は恐ろしいほどの確度で当たっていたのは周知の事実と思います。

バブルが弾けた直後に「日本は工業等の面で優れた技術を持っているが、情報と金融の分野に関してはアメリカに 10 年劣る」と語っていたそうです。
具体的に言えば、SONY のウォークマンの性能はレコーダーとしては素晴らしいが、iPod、さらには iPhone のような配信ビジネスによるイノベーションは起こせなかったわけです。博士が常々言う「顧客の創造」に関して、ことごとくアメリカの後塵を拝しているのは今も変わらないですね。

博士はその国の未来や発展を考える際、人口を重要なファクターに置いていました。それは、「経済指標は嘘が満ちているが、人口は嘘をつかない」からだそうです。
どんなに優秀な研究者でも土台となるデータが不正確では話になりませんからね。その人口問題、日本は戦争によって大きく人口構成が歪められ、団塊世代と団塊ジュニア世代というたった6~7世代に人口の15%が集中しており、様々なブームやトレンドを作り出してきました。この世代のニーズやウォンツはビジネスに直結しますから、常にキャッチアップされては?と思います。

翻って、国の経済的なピークは40歳の人口がピークになる時と深い相関性があるそうです。日本ではバブル景気とアベノミクス初期がこれに当たりますから既にピークアウトしています・・・アメリカやインドなどはこれからピークが訪れますが、逆に韓国は1を下回る世界最低水準の出生率で、日本よりさらに深刻な人口減少に見舞われるのが確定的ですから、今後投資やビジネスを行う際の参考になればと思います。
 
経営は未来を予測することで失敗する確率が下がります。足元ばかり見ているといつの間にか歩く方向がずれているのと同じです。
自分の周囲の環境は将来どうなるのか?どうなるのが1 番怖いか?を常々考えておくことが大事かなと思います。



「困ったことは強みでもある」

春先に、「幸せは不幸の顔をしてやってくる」と書きました。この人口問題ですら日本にとっては大きなチャンスなのだと博士は語ったそうです。つまり、この問題をいかに対処していくか?はまさにノウハウの構築そのものであり、他国に輸出することでビジネスになるというわけです。
経営をしていると、良いことと悪いことは本当に交互にやってきますが、ピンチはチャンス、不幸は幸せに繋がっていると思えば少しは気が楽になります。

博士に大きな影響を受けた経営コンサルタントの小宮一慶氏は、良い会社とは、「顧客に喜ばれる商品を提供し、社会貢献している」「働く人が幸せである」「高収益である」と実にシンプルに定義しています。シンプルなのですが、高収益というのは相当難しいというのが私の所感です。売上は根性でなんとかなることも多いですが、利益を残すには知恵が必要です。その利益がなければ働く人に経済的な幸せを提供できません。これらは相互に結びついて螺旋のようになっているのだと思います。


未来を予測しつつ、残された期間で周囲をいかに幸せにできるか?サザンオールスターズにたくさんの感動をもらって、そんな事を考えながら九州へ帰りました。

退職金の税制改正に注目!

2023.09.15更新

先日、母が大腿骨を折り、緊急手術しました。 理由はダンス教室(マツケンサンバ?)でコケたとのことで・・・ 老々?介護を覚悟しましたが、幸い一か月ほどで以前の生活に戻ることができました。 今は骨がつくのを待たずに、折れた部分を人工骨に変えて、 手術の翌日から歩行のリハビリをするそうです。

医学の進歩はすごいですね。
と同時に、我々団塊ジュニアが高齢者になる2040年問題は 日本が味わったことのない深刻な問題なのだと改めて思いました。 なにせ、800万人が税金やサービスを提供する側から、受け取る側へ移行するのですから・・。

退職金の税制改正に注目

先日、退職金の税金に関するニュースが流れました。 退職金は日本の税制でも最優遇されています。 退職金には手厚い控除がありまして、
・勤務期間20年以下・・・年40万円 合計800万円
・勤務期間20年超・・・年70万円

仮に30年間同一企業で働けば、1500万円までは1円も税金がかかりません。 もちろん、支給する会社側は全額経費です。

今回報道されたのは、この70万円の部分を40万円に統一するというものでした。
理由は「労働の流動性を妨げている」とのことですが、退職金控除のために 勤務し続ける人はいないので、政府の「大嘘」であることは間違いないです。

さて、この退職金ですが、実はもっと大きなメリットがあります。 それは、どれだけもらっても、その1/2にしか課税されないということです。 つまり、1億円もらっても、10億円もらっても、税金がかかるのは半分だけということになっています。 これは事業承継対策の切り札的に使われていますし、 老後の資金は「税率の高い個人で貯めずに法人で貯める」という手法の源にもなっています。

私は岸田総理の「新しい資本主義」というのは、要するに「格差是正」の言い換えだと思っています。 就任早々に株式の譲渡益課税(20%)を強化することを表明していましたが、 今回の退職金控除の是正は、富裕層に多大なメリットがある1/2課税を改正するための布石なのでは?と疑っています。
例えば、「退職金1億円以上の部分について、1/2課税をとりやめる」なんて改正は、 いつあってもおかしくありません。 なにせ、一番の人口ボリュームゾーンの団塊ジュニアがあと10年で続々退職するのです。 大きな魚群が眼の前にいるのにみすみす見逃すはずはないと思っています。

複数人で、複数のタイミングで退職金を受け取る

ではどうすればよいか?ということですが、
1. 退職金を受け取る人を増やす
2. 複数の会社から分散して受け取る
3. 退職金を受け取るタイミングをずらす
   
を予防策として推奨しています。

例えば御社がメーカーで夫婦ともに役員でしたら、製造会社と販社に会社を分割します。 そして、例えば販社の社長に奥様が赴任する際には、元のメーカーから退職金が支給可能になります。その後、販社から退職する際は、再度退職金を受け取ることが可能になります。 同様のことを社長にも行うと、夫婦で計4回退職金を受給できます。

ちなみに、医療法人なら MS 法人を検討すればよいです。 さらにいうと、小規模共済や確定拠出年金などを組み合わせて、 退職金のメリットをさらに上乗せすることも可能です。 税法の規定で、最初の退職金受給から5年超経過しておく必要はありますが、 現時点でもできる予防法と思っております。もちろん、その上を行くような改正(改悪?)されたらアウトですが。

美味すぎる話は必ずなくなる

先日、行き過ぎた相続税対策に繋がっているとのことで、タワーマンションの相続税評価が大幅に改正されました。 アメリカ不動産、アパートの消費税還付、足場リース・・・美味しい節税は 必ずといってよい程どこかで是正が入ります。 ある程度メスが入ることを見込んで、対策を取っておくことが大事ではないかな? と思う次第です。

今回は久しぶりに税理士っぽいことを書きました。
よく疑われますが、普段は税理士として普通に働いておりますので、 税務のご相談がございましたら、いつでもお声掛けください!

会社を売る可能性があるなら、身綺麗にしておく

2023.09.01更新

20年前と違って、中小企業も売れる時代になりました。
が、巷で喧伝されるような高値での取引は稀で、役員報酬や営業利益の4〜5年分を先取りするくらいが相場でしょうか。
むしろ、デューデリ(企業調査)の結果、思っていたよりも安い値段でしか売れない…というパターンをよくみます。

企業の価値はおおざっぱに言えば
1 会社の時価純資産
2 未来に安定して稼げるであろう利益

で決まります。

このうち、1で減算されるケースがよくあります。
・建物の老朽化や補修費用
・土地の価値下落
・貸付金など回収可能性の低い資産
・粉飾により計上された架空資産
・未払いの残業代

などは確実に減算される項目です。

特に社長への長期の貸付金や粉飾経理はその企業というか、経営者への印象を悪くし、結果として成約率を下げる可能性があります。
そのため、会社を売却する可能性があるなら整理しておく事を強くお勧めします。

会社の貸借対照表を綺麗にするのは、ディスプレイにある商品を磨くのと一緒ですが、5年〜など長期間かかる事も多いですので、気にかけていただければと思います。

1 2 3 7