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【給付付き税額控除】議論の現状と経営者が知るべき影響

2026.07.16公開

こんにちは。
福岡・佐賀・長崎の税理士法人グループ アップパートナーズです。

 

1.はじめに

今年に入り、「給付付き税額控除」という言葉をニュース等で目にする機会が増えてきていることと思います。そこで今回は、現在進行中の議論の概要と、経営者として押さえておきたいポイントを整理したいと思います。

 

2.「給付付き税額控除」とは?

「給付付き税額控除」とは、所得税額から一定額を差し引き(税額控除)、控除しきれない部分を現金で給付する仕組みです。

所得減税の恩恵が比較的届きにくい中低所得の現役勤労者の負担軽減を通じ、所得に応じて手取りが増えることで、働き控えを緩和するといった支援を行うことを目的とした制度であり、「社会保障国民会議」において、食料品の消費税減税等と併せて検討が進んでいます。

 

3.「まず給付から」の方向へ

5月の実務者会議において、当面は税額控除を組み合わせず、所得に連動した現金給付を基本に検討する方向が示され、支援額を所得に応じて段階的に増減させるイメージも提示されました。

給付先行となった背景には、所得データを用いた簡易な給付であってもシステム導入に2〜3年を要するなどの見通しがあり、まずは既存の自治体インフラを活用するといった実務的な判断があるとされています。これにより、早期かつ円滑な実施を可能にし、所得に連動したきめ細やかな支援を行う案が示されました。

なお、減税と給付を組み合わせる仕組みや、見込み額で給付した後に確定額で精算するといった二段階の仕組みは採用しない方針とされました。

 

4.経営者として注目しておきたい3つの点

①「年収の壁」をめぐる従業員の就業行動への影響
今回の議論では、年収の壁に直面する方も給付対象に含める方向で検討が進んでいます。年収の壁を超えた方に向けた一定の支援額を上乗せすることにより手取りが減りにくくなれば、「もっと働きたい」と希望されるケースも増えることが期待され、特に人手不足の業種においてはシフト編成等の対応が必要となる場面が想定されます。

② 年末調整事務への影響
当面は給付が先行する方向ですが、将来的に税額控除との組み合わせが導入された場合、年末調整の計算や必要書類が変わる可能性も考えられます。副業収入や世帯所得の把握など雇用主だけで制度全体を完結させるには限界があるため、国と自治体が協力して運用する方向で議論がされていますが、今後の制度設計次第では事務負担に影響がでることも考えられます。

③ 従業員への情報提供
「自分はいくらもらえるのか」「いつから始まるのか」といった問い合わせが、制度の具体像が見えてくるにつれ増えることが予想されます。今後、正確な情報が出た段階で、社内への周知を準備しておくとスムーズです。

 

5.おわりに

以上、現在議論が進められている「給付付き税額控除」の給付一本化の流れとその影響・対応を確認しました。今後の流れとしては中間取りまとめができ次第、政府として法律案を提出する予定とされていますので、その具体策などについても注意が必要です。

制度の具体的な内容や、今後の企業実務への影響につきましては、ぜひ弊社スタッフまでお気軽にお問い合わせください。


石橋 聡一郎(所長・パートナー税理士)

登録番号 142373

主な担当先の業種: 建設/小売/不動産/自動車関連/不動産
得意な分野: 一般税務/資産税

税理士法人アップパートナーズ
佐賀中央オフィス