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【生前贈与のルール変更】家族で揉めないために知っておきたい注意点

2026.07.02公開

こんにちは。
福岡・佐賀・長崎の税理士法人グループ アップパートナーズです。

 

1.はじめに

「生きているうちに、子どもや孫に財産を分けてあげたい」「早めに財産を譲って、将来の相続税を減らしたい」――そのようにお考えになり、生前贈与(せいぜんぞうよ)を検討される方は少なくありません。

しかし、良かれと思って行った生前贈与が、数年後、数十年後の相続のタイミングで「家族が揉める原因」になってしまうケースが少なくないことをご存知でしょうか。さらに、近年の税制改正によって生前贈与のルールも大きく変化しています。

今回は、将来のトラブルを防ぎ、家族みんながよかったと思う「生前贈与」のポイントを、司法書士の視点から分かりやすく解説します。

 

2.ルール変更!相続前贈与の「持ち戻し」が7年に

まず知っておきたいのが、税金に関する重要な法改正です。従来のルールでは、亡くなる前「3年以内」にされた生前贈与は、たとえ基礎控除(年間110万円)の範囲内であっても、相続財産に「持ち戻して(足し戻して)」相続税を計算し直すことになっていました。

これが法改正により、段階的に「7年以内」へと延長されることになりました。つまり、お亡くなりになる直前の7年間に贈与した財産は、実質的に「生前贈与による節税効果が薄れてしまう」ということになります。生前贈与を活用した相続税対策を考えている場合は、これまで以上に「より元気なうちから、計画的に」始めることが重要になってきました。

 

3.よかれと思った贈与が「揉め事の種」になる理由

生前贈与で本当に気をつけなければならないのは、税金のことだけではありません。実は、よかれと思ってした贈与が原因で起こる「家族間の感情のもつれ」こそが、遺産分割協議がまとまらない原因になり、将来的にも家族の分断を招く結果となることもあるので、贈与は慎重に行う必要があるのです。

例えば、このようなケースです。
父親が、同居して面倒を見てくれている長男にだけ、内緒で毎年100万円ずつ、10年間にわたって生前贈与をしていました。父親が亡くなった後、この事実を知った長女はどう思うでしょうか。「お兄ちゃんだけずるい!私への取り分が少なすぎる」と不満を抱き、遺産分割の話し合いが決裂してしまう……。

これは決して珍しい話ではありません。法律上、特定の相続人が受けた特別な利益は「特別受益(とくべつじゅえき)」と呼ばれ、遺産分割の際に考慮されるべき対象となります。内緒の贈与は、後から発覚したときに「不信感」を生み、親子、きょうだいの距離をつくる原因になりかねないのです。

 

4.トラブルを防ぐための「3つのポイント」

大切な家族に財産をスムーズに引き継ぐために、生前贈与を行う際は次の3つのポイントを意識しましょう。

①「贈与契約書」を必ず作成する
「あげる」「もらう」の合意があった証拠として、毎回必ず契約書を作成し、お互いに署名捺印して保管しましょう。

② お金の移動は「通帳」に記録を残す
手渡しではなく、必ず銀行振込で行います。「もらう側」の口座に資金が移動した記録を残すことが、税務署への証明だけでなく、家族間での透明性にもつながります。また、子ども名義の口座であっても、親が通帳や印鑑を管理していると「名義預金」とみなされ、贈与が認められないことがあるため注意が必要です。

③ 家族間で「オープンに」話し合う
一番の予防策は、特定の誰かだけに隠して行わないことです。「これこれの理由(例:介護で世話になったから)で、長男に先にこれだけ譲るよ」など、家族全員が知っている状態を作ることが、将来の相続トラブルを未然に防ぐ最大の秘訣です。

 

5.おわりに

生前贈与は、「税金を安くする」という視点だけでなく、「将来の相続のときに家族が揉めないか」という法的な視点の、両方を見据えて行う必要があります。

アップパートナーズグループは、税金面と法律面の両方の相談を総合的に検討、判断して、最適なアドバイスができる体制が整っています。ご不明な点やご不安なことがございましたら、ぜひ一度お気軽にご相談ください。


Kasumi Iwanaga

司法書士法人ハート・トラスト
福岡博多本部