2025.12.15更新
今年もこれが最後のブログとなりました。本当に一年が経つのは早いものです。
先日、ある企業の60周年パーティにお招きいただきました。60年という年月は、企業にとっても人にとっても重みがありますね。翌日は同社主催のゴルフコンペにも参加したのですが、同じ組で回った58歳の社長さんの腕が、私の太ももより太くて驚きました。触発されて翌日から腕立て伏せを始めてみたものの、初日にして肩を痛め…「確実に歳を取っているな」と苦笑いするしかありませんでした(笑)
山は年々低くなる
経営者として早いもので約25年が経ちます。この間、実にいろいろな失敗をしてきました。致命傷にはならなかったものの、「組織が崩壊するかも」「これは本当に資金繰りが危ないかも…」と胃がキリキリした経験は数知れずあります。
トラブルが表面化すると精神的に疲弊しますよね。寝られない程度ならまだ良くて、一日中そのことが頭を占領し、動悸がして落ち着かないこともあります。
ただ、そうした動揺はスタッフに伝わってしまいますから、無理に明るく振る舞って取り繕ったり…。しかし、「心配事の95%は実現しない」という言葉は経験上あながち嘘ではありません。大抵は心配するだけで終わり、残りの5%も意外と軽いかすり傷で収まります。問題が解決すると、「なんであんなに心配したのだろう?」と必ず思います。高い山だと思っていたら、実はなだらかな丘だったという感覚です。
それに、この“山”は年齢と経験と共に確実に低くなっていきます。若い頃、ベテラン経営者が妙に落ち着いて見えた理由がようやく分かってきた気がします。
もし今、何かに悩まれている方がいたら安心してください。おそらくそれは大した問題ではなく、時間が経てば「案外低かった」と感じる日が必ず来ます。
迷った時ほど原点に返る
人手不足でチャンスを逃す、若手が育たない、売上が思うように伸びない…。経営が順調だと感じる瞬間は本当に一瞬ですね。
大部分の時間は何かしらの課題と向き合っているものです。私も小さな“壁”にはほぼ毎日のようにぶつかっていて、そのたびに「どうやって乗り越えようか」と考えています。
迷った時ほど、私は原点に返るようにしています。楽天の三木谷さんの著書に「なぜこの商品を買うのか?逆になぜ買わないのか?」というシンプルな問いに立ち返る重要性が書かれていました。素朴な質問を繰り返すことで本質に辿り着ける。遠回りに見えて、実はこれが最短ルートなのだと。
私も新規事業を考える際には、誰が喜ぶのか・社会的に意義があるか・スタッフがやりがいを持てるか、まずはこの3点をじっくり考えます。そして最後に、失敗しても致命傷にならないかを試算します。
相続やM&Aの部門を立ち上げた時はまさにこんな感じでした。おかげさまで、今ではなくてはならない部門になりましたし、各方面からの問い合わせも年々増えています。
不思議なもので、最初に利益を考えると失敗の確率が上がります。迷った時ほど、まずは“お金を置いて”そのサービスの価値そのものを考えることが重要ではと思います。
そして、やると決めたら即行動。「やってみなはれ」の精神は、今も変わらず大切にしたい考え方です。
リーダーの役割とは
年度末が近づくと、成功したことはほとんど忘れていまして、「今年できなかったこと」「来年やるべきこと」を整理します。
ただ、経営者一人ができることは実に限られていて、突き詰めると、「リーダーとして何をすべきか」という問いに行き着きます。
三木谷氏は「リーダーは指揮者であり、戦略家であり、教育者でなければならない」と述べています。確かにその通りで、中小企業の社長はリーダーシップには長けているものの、教育者としての役割が弱いと組織は必ず頭打ちになります。
「社長しかできない」ではなく、「会社全体としてできる」状態を作ること。これこそが組織を強くします。私自身、走るのは得意でも教えるのは決して上手ではありませんが、皆様へ安定したサービスを提供するには教育が欠かせません。
来年も若手をしっかり鍛える一年にしたいと思っています。
2025.12.01更新
こういうタイトルを書くと、「世間を賑わせている退職代行のことか?」と思われるかもしれませんが、そうではありません。
「良い会社」の定義は、時代とともに大きく変わりますよね。一昔前までは、軍隊のように規律を重んじる企業こそ「良い会社」とされていました。毎朝、腹の底から声を出して朝礼を行い、お客様が来られたら全員が即座に立ち上がって深々とお辞儀をする、、、そんな会社です。私はこうした“重厚な社風”も嫌いではありません。ただ、それを今の若い世代が好むかと言われれば真逆なので、途中で方針転換しました…苦笑
一方で、もっと前から「良い会社とは、すぐにやめられる会社だ」という考え方もあります。
スタッフの退職の話ではなく、「いま持っている現預金で、負債をいつでも返し切れる会社」という意味です。実際、中小企業でそこまで財務体質が強い会社は決して多くありません。自己資本比率が高くても、現預金が少ない会社の方が圧倒的に多い、というのが私の実感です。
ちなみに、「節税をすると会社にお金が貯まらない」という話は、節税と称して無駄遣いをした場合の話です。組織再編や保険商品をうまく活用すれば、自己資本の強化にしっかり貢献します。是非、いろいろな情報を集めてみてください。
そして、仮に今「良い会社」でなくても、常日頃意識すれば、長期的には必ず良い方向に向かうと思います。
PROFILE
Takuma Suga
代表社員税理士
菅 拓摩
はじめまして 福岡から長崎までわりと広域に活動している税理士です。 社員300名いますが、経営者としても、税理士としても修行中です。