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【建設業の自社株対策】等級を落とさずに株価を下げる方法

2026.08.03公開

こんにちは。
福岡・佐賀・長崎の税理士法人グループ アップパートナーズです。

 

1.はじめに

建設業において、経営の承継や相続に備えた「自社株評価(株価)の引き下げ対策」は極めて重要です。しかし、一般的な手法である意図的な赤字化や過度な資産圧縮を行うと、経営事項審査の評点(P点)や、都道府県の入札参加資格ライン(等級)が下がるという致命的なリスクが生じます。

建設業の「経営事項審査の評点や都道府県の等級」を維持、向上させつつ、合法的に自社株評価を下げる具体的な手法をお伝えしたいと思います。前提として、後継者が在籍しており、M&Aなどで他社へ売却しない場合とご理解ください。(※後継者がおらずM&Aを検討されている場合は、アップパートナーズグループ フォルテワンにご相談ください)

 

2.経営状況分析Y点への影響を理解する

自社株対策が等級格付に与える影響を測るため、まずはY点(経営状況)の指標を意識する必要があります。

純資産(自己資本、利益剰余金)を減らしすぎないようにしないと、自己資本比率や利益剰余金の評点が下がり、等級ダウンに直結します。また、営業利益・経常利益を圧縮すると、総資本経常利益率や営業キャッシュフローの悪化を招きます。したがって、貸借対照表は傷つけず、損益計算書の一時的な変動を利用しなければなりません。

 

3.等級を落とさない具体的な対策

① 役員退職金の支給
最も効果的なのが、先代社長の引退に伴う役員退職金の支給です。ただし、支給に伴って純資産価格が大幅に下がってはいけないので、事前に生命保険などを活用し退職金の準備を行なっておくべきです。また、役員退職金の計上は特別損失で計上し、経常利益率や営業キャッシュフローの影響を最小限に抑えて株価を一時的に急落させ、そのタイミングで後継者に贈与または譲渡します。

② 建設業特有の重機の早期償却とリース会社の設立
購入する重機などの機械装置を特定経営力向上設備として申請し、その期の全額損金で処理します。そうすると法人税は下がりますし、重機等の減価償却費で営業キャッシュフローはプラスになります。建設機械の保有点数も上がります。全額損金に落としても、自社株式の評価時には通常償却で再計算する必要があるため、別途、機械保有会社を設立するのも1つの方法です。

 

4.持株会社(ホールディングス)の設立

後継者が議決権を持つ持株会社を設立し、その会社が事業会社の株式を取得して既存事業会社をぶら下げる手法です。持株会社が事業会社の株を保有すると、2種類の評価減(個人から法人への移転時の評価や、持株会社側での通算の評価)などが期待できます。後継者が金融機関からの借入等で取得する形となるため嫌がられる方もいらっしゃいますが、先代が生存中に行わないと意味はありません。遺留分対策にもなります。

 

5.株式信託制度

相続時精算課税制度を活用して、後継者に早めに株式の財産権だけを動かし、議決権はそのまま残しておくという手法があります。先代が亡くなったら、議決権は後継者に動くようにしておく手法です。

 

6.おわりに

建設業は、とにかく等級を落とさずに事業承継と自社株式の対策を行う必要があります。そのためには早めの相談と実行が不可欠となります。

自社株対策や事業承継についてお悩みの経営者様は、ぜひお気軽に税理士法人アップパートナーズまでご相談ください。


Masafumi Tomoshige(佐賀長崎ブロック長)

主な担当先の業種: 建設/製造
得意な分野: 一般税務/創業支援

税理士法人アップパートナーズ
佐賀伊万里オフィス