混合診療の境界線 先例に基づく判断
2024.04.02更新
こんにちは。
福岡・佐賀・長崎の税理士法人グループ アップパートナーズです。
1.はじめに
近年予防診療が拡大され、自由診療を選択する患者さんが増えてきました。保険診療と保険外診療(自由診療)の境界線を理解することで、ルールを順守しつつ、同時に実施できることもあります。これから紹介する情報が見直しのきっかけになれば幸いです。
※混合診療が認められている「評価療養」「選定療養」を除いた情報です。
2.混合診療の判断ポイント
混合診療とは、一連の治療の中で保険診療と自由診療を組み合わせて、医療サービスを提供することです。わかりやすくまとめている東京都医師会のHPから保険外治療、そして厚労省の指導事例からNG例をご紹介いたします。
保険外診療(指導事例を一部抜粋)
①【保険診療から保険外診療】に移行した場合は、診療録に移行した旨を記載すること。
②保険外診療に係る診療録は、保険診療用の診療録とは別に作成すること。
③保険外診療で【自院で製作した歯冠修復物及び欠損補綴物、他院で製作された歯冠修復物及びブリッジで装着後2年以内】の場合であって、【脱落した際の再装着の費用、破損した場合の修理の費用】について、誤って保険給付の対象としている例が認められたので改めること。
④保険診療と保険外診療の峻別を図ること。
⑤保険外診療として実施すべき場合【承認を受けていない医療材料など】に保険診療として誤って【〇〇〇】を算定している例が認められたので改めること。
⑥評価が確立していない特殊な療法又は新しい療法等を保険診療として誤って算定している例が認められたので改めること。
⑦自己診療に係る算定は認められないので改めること。
(
厚労省指導監査室 確認事項リストR5改訂版「18.保険外治療」より)
NG例
一連の治療が5ステップある保険診療とします。ステップ3を良かれと思い自費の材料で治療したという事例です。
この場合3ステップ目から最後まで「自費へ移行」となりますが、3ステップ目を保険として請求していたら指導事例の⑥に抵触します。
また保険カルテに「自費へ移行」が漏れていると①、保険カルテと別に自費カルテを作っていないと②に抵触します。
3.まとめ
患者さんの意識が高まるとより良い治療を求める方が増加します。
混合診療の定義を順守すると随時必要な医療の提供が出来ますので、詳細は下記からご覧ください。
東京都医師会 混合診療(健康診断・予防接種・自費医療など)
※字数の関係で一部をご紹介しています。見直し前にはルールをよくご確認ください。
※厚労省は混合診療を助長することはできませんので、HPや事例をご紹介しました。
Shinichiro Oishi
株式会社SOTコンサルティング
福岡オフィス