2023.03.16更新
こんにちは。
福岡・佐賀・長崎の税理士法人グループ アップパートナーズです。
急激なインフレや人材確保ため、大手企業の給与のベースアップが話題になっています。それに伴い、中小企業も続々と給与改定を検討している印象です。直接的な労働条件の上方修正も、採用や離職防止にとって効果的ですが、従業員が昇給のルールや評価の仕組み(人事評価制度)が不明確なことによって“将来性”を不安視したことが退職理由となるケースも多々見受けられます。
そんな中、社員に長くやりがいを持って働いてもらうための取り組みとして「人事評価制度」が注目されています。人事評価制度とは、従業員の職務内容やスキルを評価し、給与や賞与、昇給等に反映する仕組みのことです。本日はそのメリットとデメリットについてお伝えいたします。
・成果がアップする
評価の指標や具体的な行動を示すことにより、従業員が企業の求める課題や期待値を理解し、双方の方向性を一致させることができます。
・人材育成、成長サポート
会社が求める人物像に対して、何が課題か、評価を通して客観的に明らかにできます。課題に対しては、どのような研修や教育等を用い、改善・成長していくかを上長と話し合いながら取り組んでいきます。企業側も明確な課題点や評価項目があることでマネジメントが行いやすくなり、人材育成に効果が期待できます。
・人材の把握ができる
従業員のスキルや特性を把握する機会となり、人材の把握やスキル管理ができます。また評価を重ねることにより、成果を出している優秀な人材を適切に配置することもできます。
・モチベーションの向上
上司と従業員の間でコミュニケーションの活性化が期待でき、取り組みや成果を従業員にフィードバックすることで、モチベーションアップにもつながります。
また、面談の機会が増えることにより、問題点や悩み等を相談しやすくなり、未然に離職を防止できるケースもあるでしょう。
・評価に時間がかかる
制度構築には、評価項目や給与等への反映方法、基準等の様々な項目の設計のため、一時的に大きな時間と労力がかかります。
また、制度の運用は定期的な面談や評価をする業務が発生するため、企業全体に大きな負担がかかります。さらに、評価者が複数人いる場合には、研修等により、評価者の偏り(厳しい・甘い)を調整することも必要です。
人事評価制度には、メリット・デメリットがそれぞれありますが、従業員が将来に期待できる制度設計をすることで、採用や定着率に大きな効果がある制度ではないでしょうか。
弊社でも設計・運用のサポートを行っておりますので、ご不明な点や設計にご興味がある場合は、お気軽にご相談頂ければと思います。
Mitsuhiro Kawakami
社会保険労務士法人かぜよみ
佐賀伊万里オフィス