2023.03.02更新
相続
こんにちは。
福岡・佐賀・長崎の税理士法人グループ アップパートナーズです。
皆さまは、「遺贈寄付」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?
遺贈とは、亡くなった方の遺言により、法定相続人やそれ以外の個人や団体に相続財産を譲ることです。「遺贈」と「寄付」を合わせた遺贈寄付は、遺言により公益的な活動をする団体へ相続財産を譲ることとなります。遺贈寄付で団体を支援することは、社会的課題の解決や社会貢献にもつながります。
一般的な寄付は「今」、遺贈寄付は「将来自分が死亡した時」に財産を無償で提供することになります。
「今」は多額の寄付ができなくても、自分が亡くなった時に残った財産の中から一部を寄付するのであれば、意外にも大きな金額を譲ることができます。こうした点からも遺贈寄付は新たな寄付の方法として注目を集めています。
遺贈寄付の寄付先は、下記のようなさまざまな選択肢があります。
・国
・地方公共団体
・学校法人
・NPO法人
・社団法人
・財団法人
・社会福祉法人
・宗教法人など
相続税は、相続又は遺贈により財産を取得した個人に課される税金です。そのため遺言により寄付を受けた法人は、相続税を不当に減少させるために行われた行為(いわゆる租税回避)とみなされない限り相続税は課税されません。
遺贈寄付により、相続人も相続税が少なくなることがあります。ただし、株式会社などの場合には、相続税は課税されなくても法人税が課税されます。
寄付する財産が不動産や有価証券等で含み益がある場合には含み益に所得税の課税がされます。一定の要件を満たしているとみなし譲渡課税が非課税になる制度(租税特別措置法40条)があります。
遺言で遺留分を侵害しない財産配分とするだけでなく、残された家族や相続人の心情も十分配慮した財産配分とすることも、円滑で不満のない相続にするために重要です。また、死後に遺贈寄付があることを家族が知り驚かないように、社会貢献に関心があることを生前から話しておくことも重要なことです。
最後の社会貢献として「遺贈寄付」を考えてみるのはいかがでしょうか。
Yoko Fuchino
税理士法人アップパートナーズ
佐賀伊万里オフィス