2025.04.01更新
企業は社員の人生にどこまで責任を持つ必要があるか?
2025.04.15更新
周囲はコロナではなく、花粉症のためにマスクをしている方が多いですね。以前、クライアントの耳鼻科の先生が、「花粉症はその人の持つアレルギー素因に対する容量を超えると、まるでバケツの水が溢れ出したように症状が出る」とわかりやすく説明してくださいましたが、私は今年こそバケツがひっくり返るのではないかと毎年ヒヤヒヤしております。が、今はいろいろな治療法があるとの事ですので、以前ほど怖がる必要もないのかな…とも思っている次第です。
最近、Netflixで唐沢寿明主演の白い巨塔を久しぶりに見ました。野心的で敏腕外科医の財前医師(唐沢寿明)と、患者と向き合うことを大切にする里見医師(江口洋介)が対極的に描かれています。
20数年前に見た時は里見医師にずいぶん肩入れして見ていました。しかし、今見ると、財前医師の言うことに共感する点が多いのです。過去の経験や置かれている立場によって、こんなにも受け取り方が変わるのですね。また15年後くらいにこのドラマを見るときはどんな感想を抱くのか、楽しみでもあります。ちなみに、ドラえもんで言うと、子供の頃はのび太が好きでしたが、今はスネ夫が1番共感できます。笑
心理的安全性の大切さ
最近、経営学において「心理的安全性」という言葉がよく使われます。これは定義的には「組織やチームにおいて、自分の意見や考えを安心して表現できる」事だそうです。当たり前のようですが、組織において、トップと違う見解を表明するのは意外と難しいものです。
しかし、ネット社会で、私警察がそこら中にいて、コンプライアンスが以前に増して重視される時代において、この心理的安全性の欠如は、会社を揺るがす問題を引き起こすことがあります。
例えば、盲目的にトップを信頼して、疑問点があっても指摘しなかった場合、それが原因で大きなミスや事故につながる可能性があるということです。
先程の白い巨塔で言うと、財前医師は一つの診断ミスを犯すわけですが、彼のチームは1人を除いて誰もそれを指摘しません。その結果、患者は最悪の結果に至ることになり、問題が組織全体に波及し、財前医師自身も不幸な結末を迎えることになります。
フィクションでなく、歴史的に言えば、そのような例はいくらでもあるわけで、豊臣秀吉の朝鮮出兵も然りでしょう。来年の大河ドラマで描かれる豊臣秀長。彼がもう少し長く生きて兄の秀吉に進言すれば、無謀な戦争は起こらなかっただろうといわれていますし、徳川の世も来なかったかもしれませんね。
仕事柄色々な会社を見て参りましたが、経営者が長い間その地位にいると、どうも色々な問題が起こります。残念ながらすべての人が「年を取るとともに、より正しい判断ができるようになる」とは限らないようです。むしろその逆であることが多いように思います。だからこそ、会社の黎明期はともかく、ある程度組織が成熟して来たら、自分と考えの違う人が意見を言えるような雰囲気を作っておくことが、組織の存続・発展には大切なのではないかと思います。
もちろん、これは会社、組織の発展を願っている、同じベクトルを向いていることが根底になければなりません。自分の事だけを考えてわがままを言う人は即刻排除すべきです。が、その判別は非常に難しいわけで、それこそが経営の難しさといえるかもしれませんね。
PROFILE
Takuma Suga
代表社員税理士
菅 拓摩
はじめまして 福岡から長崎までわりと広域に活動している税理士です。 社員300名いますが、経営者としても、税理士としても修行中です。