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この先生でダメなら仕方ない

2023.11.15更新

ラグビーワールドカップの決勝を早起きして見ました。ボール支配率60%、しかも長時間14人で戦ったニュージーランドは勝負に勝って、試合で負けた感じでしょうか。
ところで、今回のワールドカップは実力伯仲で僅差の試合が多く、それだけにレフェリーの技量も問題になっていました。決勝の主審であるバーンズ氏はまさに最高の技術を持っている方だったそうで、観客からのブーイングもほとんどありませんでした。レッドカードでもクレームが出なかったのは、「このレフェリーの判断なら仕方ない」というところでしょうか。

この先生でダメなら仕方ない

私はフェレットという子猫みたいな生き物を学生時代から通算9匹飼っています。自由気ままな生き物でして、犬と比べると格段に手間がいらないのですが、病気になった時に見てくれる獣医さんが非常に少ないのが難点です。
たまたま会社の近くで診てくれる医院を発見し、かれこれ10年以上通っています。この医院を見ていると、まさに24時間体制で稼働してまして、水曜の手術日以外は休みなく外来診療。他の日も昼休みに手術するなど、奥様と2人でほぼ休みなく働いておられます。
私としては「この医院でダメと言われたら仕方がないな・・・」と思うくらい努力なさっていますし、先生の技術を信頼しています。これだけ重労働だとスタッフがついて来れるのかな?と思うのですが、不思議なことにベテランのスタッフが多数在籍しているのです。
 
そこで、「ここは患者さんも滅茶苦茶多いし、土日も仕事だし、大変ではないですか?」と馴染みのスタッフさんに聞いてみたのですが、「もちろん大変ですよ。しかし、動物は可愛いですからやりがいがあります。何より今でも患者さんと一緒になって喜んだり涙している院長と奥様を尊敬しています」との事でした。
 
経営コンサルタントの小宮一慶氏は、著書「できる社長はこれしかやらない」の中で、
最高のリーダーは自分の存在を意識させないリーダー
その次は敬愛されるリーダー
その次は恐れられるリーダー
最悪は馬鹿にされるリーダー
と書いておられます。
この院長先生は一番上か、その次くらいに位置しているのでしょう。ちなみに私は多分下から二番目の怖い系ですかね・・。馬鹿にされるのは論外として、一段でも上に行きたいと毎月通院するたびに思う次第です。


誰のために頑張るのか?

世相を反映して、最近スタッフの退職や人手不足に関するご相談をよく受けます。弊社も採用に苦労しているのは同じでして、皆様の気持ちはよくわかるつもりです。AI 活用による省力化や外国人採用など解決の選択肢は様々ですが、「これさえしておけば大丈夫」という必殺技はないので、ハイブリッドで色々試すしかないと思っております。
ただ、大量退職など会社を揺るがすような大問題が起こる先には共通点があるように感じます。それは、経営理念が無い、あるいはあっても形骸化していることです。

経営理念の大切さは以前にもしつこいほど書きましたが、理念がない企業は要するに、「経営者である俺の貯金のために働け!」とスタッフから受け取られてしまうのです。ですから、離職率が高いと感じる場合は、基本に立ち返って会社の存在意義、経営理念をもう一度見直してみては?と思う次第です。

「うちは◯◯して社会の役に立ちたい。役に立って得た利益はみんなに還元する。だからみんな協力してくれ!」というのが組織活動の根底だと思います。また、経営者は、結局のところどれだけ大きな組織を作ったか?多額の資産を貯めたか?ではなく、「どれだけ多くのものを配れたか?どれだけ多くのに喜んでもらえたか?」で評価が決まると思います。
特にスタートしたばかりの頃はそんな事を考える余裕などないと思いますが、ふとした時に思い出していただければ幸いです。
最近、亡くなった大先輩税理士の言葉をよく思い出します。「菅君、『得たければ先ず配れ』の精神が大事だよ。」