2023.07.14更新
5 月末に、ついにコロナにかかりました…。喉の痛みはなかなかキツかったです。5 類になってもコロナはコロナ。気をつけなくてはいけませんね!
経営にはこうやったら成功するという王道はおそらくないのですが、「こうやったら失敗する」「こういう風にやったほうが確率が良い」というのはあります。20 年ほど経営をしてきてこれはと思うものを今回ご紹介したいと思います。
①スタッフとの約束は絶対である
ある会社が、利益が出たら決算賞与を出すとスタッフに約束しました。スタッフたちは喜び、仕事に励み、基準を満たし、利益が上がりました。しかし、社長は来年の仕事の受注状況を考えて賞与を出しませんでした。
結果として、大量退職につながり、会社は危機に陥りました。
おそらく賞与を数百万円支払ったとしても会社が潰れるほどの影響はなかったでしょうから、支払うべきだったと思います。この会社は業績を取り戻すのにかなりの時間を要しました。スタッフとの、特にお金に関する約束は絶対に守る姿勢が必要だと思います。
②頑張ったら頑張っただけ
ある会社が主力製品の製造工程を 2 チームに分けて、面白い実験をしました。
A チーム 1 個◯円 と言う請負制で作ってもらう
B チーム 時給で給与支給する
結果から言うと、A チームの圧勝でした。同じ時間で 2 倍の製品を作り、しかも品質がむしろ上がったそうです。頑張っても頑張らなくても結果が同じなら、「頑張らないのがスタッフの当たり前」です。頑張った結果には、せめてお金で報いることがとても大事だと思います。
ちなみに、このケースで請負のための別会社を作ると、消費税や社会保険料を大幅に圧縮できる可能性があります。
③役員貸付金は出来る限り作らない
役員貸付金とは、経費にならないお金で、役員が個人的な目的で消費したものです。
医療法人の場合は、法人成りの際の借入引継ぎの関係等でどうしても発生する場合がありますが、そこは気にされなくてよいです。しかし、度を越した交際費や使途不明金はいろいろ不都合が生じます。税務調査でも問題にされますし、銀行に「資産性がない」と判断されれば、利益剰余金から引かれてしまい、融資を受ける際に悪影響が出ます。
また、経理スタッフが反旗を翻して「うちの社長は、スタッフが稼いだお金を遊びに使っている」と SNS に投稿した例もあります。かく言う私も、WOWOW の視聴料がうっかり経費精算に混ざっていて、「菅はこんなものまで経費にしようとしている」と、陰口を叩かれた苦い経験があります。
貸付金は放置して金額が大きくなると返済が大変になりますので、できれば毎月、最低でも年に一回精算するよう心がけてはいかがでしょうか。
④経営理念を作る
日本企業の約半数には経営理念が無いそうです。言葉だけの理念に何の意味があるか?と思われる方もいると思います。私もかつてはどうでもよいと思ってました。しかし、規模が拡大するにつれ、会社は、経営理念を中心に運営されるのだと考えるようになりました。
例えばスタッフに「頑張れ!」と促す場合、理念のない会社では、「なんで社長のために頑張らないといけないの?」となります。自分の頑張りが社会貢献に通じ、結果に見合う報酬が入ってくるならば、スタッフは自ずと頑張ってくれます。
理念のある会社とない会社では、利益率が 40% 以上違うという研究結果もあります。過去に起きた戦争も大義名分のないものは必ず負けにつながっていますが、経営理念は企業が存在する大義名分だと思う次第です。
PROFILE
Takuma Suga
代表社員税理士
菅 拓摩
はじめまして 福岡から長崎までわりと広域に活動している税理士です。 社員300名いますが、経営者としても、税理士としても修行中です。