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事業承継のコツ

2019.06.27更新

事業承継は企業にとってチャンスであり、リスクでもあります。

経験上、リスクになる要因はたった一つでして、経営者に向かない人に無理やり社長を引き継がせる事です。

100年以上続いてる企業は、かなりの確率で婿養子を迎えているそうです。これは、二代、三代続けて優秀な経営者が出現する確率がいかに低いかを物語っています。

司馬遼太郎の新史太閤記に、最後は秀吉に殺害された甥の秀次の話が出てきます。彼はとても関白などになる器ではなかったそうですが、子供がいないため無理やり後継者の座につかされます。その後、大失態をやらかしますが、周りの優秀な補佐官がフォローしてなんとか仕事(合戦)を遂行していました。しかし、結局、最後は時勢を読めず、謀反の疑いをかけられて殺されました。

実力以上の地位に就き、それに向かって努力するのは素晴らしいことですが、あまりにもかけ離れた地位に置かれると、最後は潰れてしまいます。

ですから、後継者は最初から役職者にせず、下働きから始めさせ、もし経営者の資質があるなら抜擢すれば良いと思います。

資質がない場合は、株主として財産だけを承継させるか、M&Aするという手もあります。

 

目線を上げましょう!

2019.06.20更新

先日、歯科医師向けのセミナーで講師をし、同時に、その地域の代表的な歯科医院について学びました。

弊社では300医院ほど関与しており、私もそれなりに業界の事を知っているつもりなのですが、経営的に元気な医院に出会い、「目からウロコ」状態でした。

開業10年で売上9億円という先生もおられましたが、これは一般業に換算すれば年商30億円クラスの企業を作っていることになるでしょう。

そうした先生は、総じてお仲間も経営に関する感度が高いです。
そして、仲間内で無言のうちに競っているのがよくわかります。

ひるがえって、私は11歳の時に公立小学校から国立附属小へ編入しました。
その時痛烈に感じたのは、「ここでは、成績が良い人が偉いんだ」という事です。

周囲は懸命に勉強します。公立では勉強すればイジメの対象でしたから、えらい違いです。
私も周囲に引きづられて勉強し、なんとか落ちこぼれずに済みました。

大事なのは、

自分をどういう環境に置くか?
どういう仲間とつきあうか?
目線をどこに置くか?

だと改めて思った次第です。

税理士に経費の権限などない

2019.06.16更新

「〇〇すると、税務調査でやられますよ!」

税理士との会話でよくあるものです。

たしかに、税法は会計を行う上で大きな基準になっています。

しかし、本来、会計と税務は会計が主で税務が従の関係なのです。

よって、会計慣行から逸脱しない限り、企業は自由に会計を行うことが出来ます。特に、中小企業は。

以前、

「創業者の母親である非常勤役員に1000万円の退職金を支給したいけれども、顧問税理士から許可が下りない」

と相談がありました。そこで、セカンドオピニオンとして、

・そもそも、税理士に経費計上を許可する権限などない

・退職金の支給額は会社で決めれば良い

・税理士はそれが損金になるかならないかの見解だけ述べれば良い

・調査が来た時のため、1000万円の理由だけ補強しておくべき

 

とお伝えしました。

結局、この会社は1200万円支給し、その後の税務調査では特に問題にされませんでした。

  1. 社長にとって大事なのは、調査時の否認よりもお母様への恩を形にすること。

  2. 税務調査云々などは些末な…というか、無粋な問題だと思いました。

 

経営者は営業マンたるべき

2019.06.08更新

経営者の役目は組織の大きさでも変わります

10名までは、スタッフの先頭に立って働く場面が多いでしょう

30名クラスになると、徐々に組織が出来、次第に先頭に立つことが減ります

100名クラスとなると、現場は幹部が取り仕切り、判断業務が1日の多くを占めるようになります。

しかし、規模に関わらず一貫しているのは、

「経営者は売上を作らなければならない」

ということです。

私が知る限り、優れた経営者は優れた営業マンである事がほとんどです。

逆に、幹部の売上への影響力が経営トップを上回ると、色々な事が上手くいかなくなります。例えば、幹部の発言力が増して、経営者の言うことを聞かなくなったりします。すると組織が乱れて、社としての戦闘力が落ちます。

経営者は現場の先頭に立ち続ける必要は必ずしもありませんが、その会社で一番の営業マンである、あるいはその実力を保つ事が会社を円滑に運営するカギだと思います。